Light Symbol

ギリシャ神話について Part 4

③ギリシャ神話の最大の魅力は、数々の個性豊かな神々の織りなす人間的なドラマと、愛と勇気のアドベンチャーと、恋愛やセックスにちなんだゴシップの部分だと思われるのだが、現代的な判断としては、おそらく、これだと悲喜こもごものエンターテイメントとしては、最高の部類に入るのだろうが、人間的な幸福や成長の観点から見ると、ほぼゼロ点に近いのではないか

 第三には、これは考えてみれば、全く当たり前の話になるのですが、結局、ギリシャ神話というのは、歴史上の事実を元にした一部の部分は除くにしても、それ以外のほぼ大部分は、本当の実話というよりかは、数々の個性豊かな神々や女神達の織りなす人間的なドラマや、そうした神々や英雄をモチーフにした愛と勇気溢れるSFアドベンチャーや、それから、そうした神々や女神達をネタにした、言ってみれば、最高のゴシップの集大成のようなものだったのではないかということです。

 特にギリシャ神話の場合は、世界の他の国々の神話とはかなり違って、「ものすごく立派な神がいる」というような話は皆無で、そうではなく「偉い神かと思ったら、結局、とんでもない殺され方で死んでしまった」とか、「すごい神かと思ったけど、嫉妬深い妻に隠れて、あっちの女、こっちの女と手を出すうちに、結局、とんでもない失敗をして大変な目に遭ったらしい」とか、「神々の間ですら嘘や嫉妬や陰謀は数多しなので、それが地上の人々にも多大な影響を与えて、結局、次々と地上の世界で戦争や混乱が巻き起こることになってしまった」などというような話があちこちに見られるのですが、はっきり言って、これらの話は今日的な感覚で言うと、多くの人々が映画やテレビのようなエンターテイメントや、あるいは王室や芸能関係のゴシップに強い関心を示すのと、さして違いのないようなレベルの話が多いのではないかということなのです。

 さらにそれよりも問題なのは、こうした神話の形態になっていると、多くの人々が、「結局、最高の神であるゼウスは、いったい何を望み、何を伝えようとしているのか」というのがよく分からなくなってくると共に、「神々があの程度なら、人間は、まあ本能のままに好き勝手にやればいいか」とか、「別に間違いや失敗があるのは当たり前だから、毎日その日暮らしで適当に生活すればいいか」などというような感覚を、まるで当たり前のように持つようになってしまいがちだったのではないかということなのです。

 ですから、こうした点でギリシャ神話というのは、神々をテーマにしたエンターテイメントとしては、おそらく最高の部類に入るものだったのではないかと思われるのですが、ただ元々、多くの人々が宗教に求めていた人間的な幸福や成長の観点から見ると、はっきり言って、ほぼゼロ点に近かったのではないかということなのです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2012年5月17日 9:02 PM, ギリシャ神話 / スピリチュアリズム、霊界 / 宇宙文明、古代文明 / 宗教、道徳



«

»

おすすめ記事

過去の記事