マルクスの共産主義思想では、人間そのものの性質や、人間社会の仕組みなどについては、ほとんど何の深い調査も研究もされていなかったのではないだろうか
ここからは、マルクスが唱えた思想そのものではなく、その後に彼が唱えた思想に基づいて、実際につくられた社会主義や共産主義の国々において、よく起きていた現実の状況などを元に、様々な観点から考えてゆきたいと思います。
ここまで様々な観点から述べてきたように、実際に社会主義や共産主義に基づく国づくりを進めてみると、確かに理論上は、労働者の代表が政治権力を独占した、非常に素晴らしい平等社会になるはずだったのですが、実際には、そのようにして権力を牛耳った人々は、大多数の普通の労働者と同じように非常に貧しい生活を送ったり、大変な肉体労働をする人々なんて、ほとんどいなかった、ということです。
そうではなくて、たいてい、そうした政治権力を握った人々は、大多数の労働者の人々の仕事や生活がうまく回るように、まるで当たり前のように様々な調査や研究をしたり、数年規模の大きな経済や経営の計画を立てたり、さらにはそうした経済や経営の計画の確実な実現を図るために、以前の社会とほとんど同じように階級的に上の立場に立って、労働者の人々を非常に厳しく管理しようとしてくることが多かったようです。
そして、そうした政治権力を握った人々は、だんだんとそうした大変な仕事や高い身分にふさわしいだけの特別な収入や待遇を得るようになったり、また巧妙な手口でたくさん賄賂を受け取るような様々な汚職に手を染めてゆくことで、非常に裕福な生活を送るようになってゆくことが非常に多かったようです。
ですので、はっきり言うと、そうした人々は、かつてマルクスが散々批判していた、昔の代々の世襲制の国王や貴族のような、ある種の特権階級的な立場の人間に変わっていってしまうことが、とても多かったようです。
Cecye(セスィエ)
