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ギリシャ神話について Part 3

3、多くの人々が、ギリシャ神話のような非常に長くて、ごちゃごちゃした神話を、まるで真実であるかのように受け入れてしまうと、その後、そうした霊的、知的な混乱が地上の世界のあちこちで、さまざまな悪影響を及ぼす可能性があるので注意が必要である

 第三には、これは、ちょっと変わった話になるのですが、実はギリシャ神話には、「ちょっと、これを言うと神仏観というか、宗教観がおかしくなってくるのではないのですか」と言いたくなるような内容が、結構たくさん含まれているのです。

 ここでは、その代表的な例として、大きく五つの内容をあげてみたいと思います。

 

①霊的には、「ただ一つのこの宇宙の創造主が、たくさんの別々の個性で現れることがある」というような説明なら全く問題ないのだが、そうではなく、「一番上の神が、次々といろいろな理由で入れ替わる」というような話であれば、それは、本当は高次元宇宙の話ではなくて、地上の世界の単なる昔の王家の権威付けのための作り話が元だったのではないか

 まず第一には、これはよく考えてみるとかなりおかしな話であるのですが、日本の神話にもほぼ同じように共通した要素があるのですが、要するに「あのたくさんいるギリシャ神話の神々のうち、結局、一番上の人というか、トップの神は、いったい誰なのか?」というのが、あのギリシャ神話を読んでいると、だんだん何が何だかよく分からなくなってくるようなところがあるのです。

 例えば、ギリシャ神話における宇宙の創造の経緯だと、まず最初に「カオス」(混沌)や「ガイア」(大地の女神)や「エロース」(恋愛や性愛の神)や「タルタロス」(奈落)があって、それから天空神の「ウーラノス」が出てくるのですが、それが、まもなく不慮の裏切りで殺されてしまい、その次に「クロノス」が天空神になるのですが、これもまた悲劇的最期を遂げると、それから、その次には有名な「ゼウス」が天空神の立場についたというような話になっています。

 ところが、これは霊的宇宙的には、かなりはっきりしていることなのですが、この宇宙の創造主に当たる存在には、私の知る限り、代表的な個性が大体、数十ぐらいはあると思われるのですが、もしそうした形で、元々というか、本来、ただ一つの存在が複数というか、たくさんの個性を持っているというような説明でもって、ああした神話が語られるのであれば、それほど問題ないのですが、そうではなく、最初はAという神がいて、それが代わって別のBという神となり、それからその次に、さらにCという神になったというような説明である場合には、こうしたケースの場合には、ほぼ間違いなく、それは本当の神仏のような存在のことを説明しているのではなく、単に昔あった有名な王家の代々の王のうち、特に有名な人物の名前を並べて、それをAという神、Bという神、それからCという神・・・という具合に、そうした古代の王家の権威を強めるために、単なる人間の王のことをさもものすごく偉い、まるでこの宇宙を作った全知全能の神であるかのように語っていただけだったのではないかということなのです。

 

②ギリシャ神話には、「どの神が何々をした」というような話なら、たくさん山ほど残っているのだが、それでは、「その神は、人間に、いったい何を伝えようとしたのか」というような霊的な教えの話になると、ほとんど分からないことが多い

 第二には、これも考えてみると非常に不思議な話であるのですが、実はギリシャ神話には、「どの神が何をしたので、こうなった」というような話は、いくらでも出てくるのですが、ところで、「結局、その神は、人類にいったい何を伝えたかったのか」ということに関しては、いくら調べて考え直してみても、何が何だかよく分からなくなってきてしまうようなところがあるのです。

 つまり今日、多くの人々は、有名なパルテノン神殿等の遺跡から想像して、単純に「ギリシャ神話は、昔のギリシャの宗教のようなものだったのではないか」と素朴に信じ込んでいることが多いようなのですが、ただ、こうした神話の実態から考えてみると、実は現在、多くの人々が知っているギリシャ神話には、特に「これが、この神の教えである」とか、「これが、この女神の信仰である」というような「古代ギリシャ教」と言ってもよいような実際の具体的な宗教の中身に関しては、はっきり言うと、ほとんどよく分からないようなところがあるのです。

 これは、現在の多くの日本人のように小さな頃から素朴に接している神道において、「立派な建物や森林はたくさんあるけど、どれも形式ばかりで神様の教えなんてないのは全然当たり前」というような宗教経験の多い日本人には、まるで当たり前のように感じられるかもしれないのですが、実は現在伝わっているギリシャ神話から推定する限り、もし多くの人々が、古代ギリシャでは、あのギリシャ神話に基づいて、現在、遺跡として残っているような数々の壮麗な神殿において、そうした「古代ギリシャ教」のようなものを信仰していたと考えているのであれば、それはかなり違っていて、実際には古代ギリシャにおける宗教の具体的な中身と、現在伝わっているギリシャ神話の中身とでは、かなり違っていたのではないかということなのです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2012年5月16日 9:03 PM, ギリシャ神話 / スピリチュアリズム、霊界 / 宇宙文明、古代文明 / 宗教、道徳



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