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霊的、現代的な観点から見た仏教の教えについて Part 24

 しかし、そうした形で数百年、さらには千年以上もの歳月に渡って、非常にたくさん増え続けていった仏教の教えが、わりと短期間のうちに、いっぺんにまとめて、たくさん伝わっていった、特に古代や中世の中国や日本のような国々では、「この膨大な仏教の経典には、すべて尊い仏の教えが説かれている」というような捉え方をされることが多かったようなのです。

 ところが近現代に入り、そうした世界各地の仏教のお経を一つ一つ丁寧に調べ直すようになると、「阿含経(あごんきょう)は、お釈迦様がじきじきに説かれた教えのようだが、浄土教のお経は、紀元後、インドや中央アジアで成立した教えらしい」などというように、要するに、すべて釈迦本人が説いた教えではなく、釈迦が、じきじきに説いた教えもあれば、そうではなく、様々な時代に様々な国や地域で、様々な人物や宗派の人々が説いた仏教の教えも、たくさんあることが、かなり明確にはっきりとわかるようになってきたようです。

 これが例えば、近現代の西洋の哲学であると、「すべて同じ近現代の西洋の哲学である」などというようには、そう簡単にすべて一緒くたにはされずに、「これは17世紀頃のフランスでデカルトが説いた哲学で、これは18世紀頃のドイツでカントが説いた哲学で、これはその少し後の時代のドイツでヘーゲルが説いた哲学」などというように、いつ、どの国で誰が、どんな哲学を説いたか、ということが、ほぼ明確にはっきりわかっているので、確かに一見、「哲学」というと非常に難しそうに感じることも多いとは思うのですが、そうした観点から見ると仏教の教えと比べれば、非常にわかりやすいようなところもあるわけです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2021年10月12日 9:03 PM, インド思想、ヒンドゥー教 / 中国思想 / 仏教 / 宇宙文明、古代文明 / 宗教、道徳 / 歴史 / 知恵、正しさ / 社会、文化



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