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アメリカ合衆国の繁栄とキリスト教の関係について Part 5

現在のアメリカ合衆国の繁栄とキリスト教の関係について

 それでは、こうしたアメリカの社会では、いったい、どのような宗教と政治の関係があり得るのか、ということなのですが、単純に考えると、特にあまり栄える産業がない州などでは、たくさんの信者がいるキリスト教の教会の強い推薦を受けられるような政治家や政党の方が当選しやすいのですが、ところが、そこには幾つか問題があって、それというのは、そうしたアメリカ的なキリスト教の強い支持を受けた政治家や政党の場合には、はっきり言うと、どうしても二千年以上昔の古代王制の時代の価値観を、21世紀初頭の現代に持ち込もうとしてきてしまうようなところがあるので、時折、21世紀初頭の現代の世界の国家の運営や繁栄の原理とは、かなり大きく食い違ってきてしまうこともあるということなのです。

 その内容を大まかにあげると、だいたい次のような五つのことが言えます。

 

1、アメリカ的なキリスト教の理想的な人物の特徴について

 まず一つめは、現代のアメリカのキリスト教の様子を見ていると、イエス・キリストの言動ばかりでなく、もっと昔のユダヤ教の時代の教えにも、まるで自分達の直接のルーツのように感じて、かなり詳しく学んだり、信仰したりしている人々も、かなり多いように見受けられます。

 キリスト教の理想的な人物としては、メシアとされたイエスや、いかなる苦難にも負けずにイエスを敬虔に信仰し続けた聖人や信徒のような人々があげられると思うのですが、それでは、ユダヤ教の時代の理想的な人物としては、いったい、どのような人物があげられるのか、というと、おそらく、たくさんの預言者や、また有名な王や、そうした王に忠実な兵士のような人物があげられるのではないか、と思われます。

 そうすると、はっきり言って申し訳ないのですが、キリスト教の理想的な人物は、神の声の下に多くの人々を導くメシア的な人物や、そうしたメシア的な人物の言葉に何でも素直に従う、強い信念を持った非常に従順な人々ということになり、さらにユダヤ教の理想的な人物も含めて、かなり大雑把にまとめてしまうと、何でも神の声に従って、他の多くの人々から見ると、どんなに変わったことでも、どこまでもやり抜こうとするような人物や、さらには敵を欺いて、皆殺しにしたり、土地や財産を奪い取る王や、そうした王にどこまでも忠実な兵士であったりするわけです(これは別にユダヤ教に限らず、古代や中世には、世界中でよくあった価値観だと思うのですが・・・)。

 それゆえ、こうした人間の理想像を現代に持ち込んでくると、道徳的に非常に善良で、とても勤勉な人々や、また、常に世のため人のために生きる、愛や平安に満ちた、非常に高い普遍主義的な価値観を持った人々が増えるだけでなく(これは現代もキリスト教の人々が、とても敬愛されたり、尊敬されたりしている理由だと思うのですが・・・)、場合によっては、他の人々の視線や利害なんて全く気にせずに、いつも変わったことばかりするのが大好きな変人や、また、カリスマ的ではあるのだが、時に人を欺いたり、訳のわからないことをやりだしたりする、道徳的に多少問題がある、軍国主義が大好きな英雄志向の独裁的な人物が現れたりすることもあるので、多少注意が必要なところがあるのではないか、ということです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2021年2月2日 9:03 PM, おすすめ記事 / キリスト教 / ユダヤ教 / 人生観、世界観 / 宗教、道徳 / 政治 / 歴史 / 知恵、正しさ / 社会、文化



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