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民主化や近代化の草創期の問題と、その解決策について Part 39

②なんだかんだ言っても、おいしい食べ物や飲み物や、便利な製品やサービスや、きれいな服や建物や、優れた人間の知恵やノウハウのようなものは、いつの間にか国境も時代も越えて、多くの人々の間にしっかりと伝わってゆくものである

 二つめは、これは、特に近現代に入ってから、非常に増えてきた内容になるのですが、そうした世界の人々の立場から見ると、「正直言って、先進国の人々が言っていることや、やっていることは、よくわからないことも多いのだが、とにかく、あの食べ物や飲み物は、とんでもなくおいしかった」とか、「原理は、全然わからないが、あの電気や石油で動く製品は、とにかく便利で最高だ」とか、「あんな物は、自分達としては、ひっくり返っても絶対に作れないだろうが(たいてい最初は、みんなそう思うものです)、あのきれいな服や建物や持ち物は、すごくいいなあ」とか、あるいは、「あのピシッとした服を着た立派そうな人達(政治家や役人や軍人や企業の人々のこと)は、なんか頭が良くて、立派そうだな」などというように、細かな原理や技術はよくわからなくても、わりと単純な感じで、自分達が見聞きしたり、匂いを嗅いだり、食べたり触れたり、使ってみたりしたら、すごく良いと思ったので、「できれば自分達も、何とか手に入れられないだろうか」とか、「できれば自分達も、何とか似たようなことができないかな」などというように考えていることが、非常に多いものなのです(逆に先進国の国々の人々が、そうした世界に非常に魅力的なものを見つけることもありますが・・・)。

 古今東西の人類の歴史を見てみると、たいてい、こうした文化の交流が起きた際には、最初は、「まあ、現地の人が欲しがるなら、少しぐらいなら、あげてもいいか」ぐらいの交流から始まって、次には、「欲しいなら、お金をくれるか、何らかの物と交換してくれるなら、その価値と同じくらいの物をあげよう」というような感じの物々交換や、お金の受け渡しを伴うような貿易が始まり、さらにもっと時間が経って、その土地の人々が、すっかりそうした製品やサービスに慣れてしまうと、もうなかば生活必需品のような扱いになって、「うちの頭のいい、手先の器用な優秀な人間を送るから、ぜひ、その作り方を教えてくれないか」などと交渉するようになったり、あるいは、こっそり秘密のうちに、どうやって作るのか、かなり熱心に調べたり、研究したりして、自分の国でも技術者を育てて、まるで生活必需品のように、たくさん作ろうとすることが多かったようです。

 ところが、ここ数百年の人類の歴史では、こうしたことが、あまりにも広大な地域で非常に早いスピードで起きてきたために、はっきり言うと、そうした遅れた国々の人々の立場から見ると、「常に自分達は、すごく遅れていて、しかも、どう努力しても、なかなか追いつくことなんて、絶対できないのではないか」と思われるような状況になりがちだったようなのです。

 

 続く・・・

 

 追伸

 トランプ・ショックの話の続きは、少し間を置いてからになります。

 

Cecye(セスィエ)

2016年11月21日 9:03 PM, 政治 / 歴史 / 社会、文化 / 科学、テクノロジー / 経済



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