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民主化や近代化の草創期の問題と、その解決策について Part 25

③国の発展期に大切なのは、国や地方の区画をはっきりさせると共に、それぞれの個人や企業や団体などの登録や、土地や家や財産などの状況を明確にしておくことである

 三つめは、これは、どこの国の歴史でも、よく大きく失敗していることが多い内容になるのですが、とにもかくにも、そうした社会の変革期において重要なのは、ともすれば、何が何だか、よくわからなくなりがちな国と国の境や、地方と地方の境、それから企業や団体の違いや、それぞれの人の違いというものを、かなり明確にきっちりと分けてゆく必要があるということです。

 それというのは、これは、どの国も数百年前ぐらいまでは、ほとんど一緒だったと思うのですが、自分の国が、どこからどこまでなのかが、はっきりしていないとか、何州や何県が、どこにあるのか、よくわからないとか、それぞれの民族や部族の違いがわかるようで、よくわからないとか、企業や団体に属してる人や、そこでやっている活動が、なんだか、はっきりしないとか、似たような人がいっぱいいて、全然区別がつかないなどというような状況であると、もう国や社会の発展という以前には、何をどこから、どうしてゆけばよいのかすら、よくわからないような状況に、よくなりがちであったからです(つまり、実際の状況が、正確に把握できていないと、後から後から問題が増え続けていってしまうので、いつまで経っても、なかなか問題が片付かない状況になることが多いということです)。

 そうすると、こうした社会の状況では、いったいどうすればよいのかというと、これは少し難しいケースもあるのですが、まずは国の法律である程度、強制的に国境や州や県などの行政区画を、それぞれ、かなりきっちりと明確に決めてゆくと共に、それぞれの人の氏名や住所や連絡先や、通っている学校や働いている会社などをある程度、明確にして、さらにそれぞれの人や企業や団体が持っている土地や家や財産などを明確にしてゆく必要があります。

 こうしたことは、今日の先進国では、ごくごく当たり前のことになっていることも多いのですが、それが民主化したり、近代化してゆく途中の国では、結構どこもかしこも、いい加減なことがあって、何らかの建物があるはずなのに、実際に行ってみると、もうなかったり、空き家になってるとか、あるいは、誰かを探すと、実際には、別の人の登録になっていたり、全く住民として登録されていなかったりするなどというような状況になっていることが結構あるものなのです。

 ところが、こうした社会の状況が長く続いていると、その国の政府の人々の感覚としては、十分に成果の上がるような対策を行っているはずなのに、いつまで経っても国内の混乱が収まらないとか、後から後から大問題が持ち上がるような状況になることも多いので、かなり注意が必要なようです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2016年10月12日 9:03 PM, 政治 / 歴史 / 社会、文化



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