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民主化や近代化の草創期の問題と、その解決策について Part 24

②いかなる政治制度であっても大切なことは、真面目に努力し働いている人が、その努力や働きに応じて、しっかり富を得られるようにすると同時に、そうした際に生じる混乱や不平等を、できるだけ緩和してゆけるように社会的な弱者にも、十分な恩恵を受けられるような社会を築いてゆくことである

 二つめは、これは先ほども述べたのですが、民主主義であろうが、王制や貴族制であろうが、とにもかくにも重要なことは、真面目に努力し働いて、何かを作ったり、売ったりしているような人々が、そうした人々が努力し働いた分だけ、しっかり富を得られるような社会のあり方を、国民全員の基本として、大事にしてゆくことです。

 これは、現在のような競争社会をよしとした考え方になるので、そうした競争で、うまく成功できなくて敗者になった人々や、また、そもそも真面目に働くのが嫌な人々は、あちこちで文句を言ったり、それどころか、そうして努力し、真面目に働いた人々から様々な物を取り上げたり、そうした人々に対して、暴力を振るったりしようとするような状況になることがあるかもしれないのですが、そうした時こそ、多くの人々の信任を得た政府が、行政や司法の力や、場合によっては、警察や軍隊の力を使って、そうした真面目に努力し働いて、富を作り出している人々の利益や安全をしっかり保護すると共に、そうした人々を社会の手本として、しっかり持ち上げてゆくことが、とても大切になります。

 ところが、ここで難しいのは、たいてい、社会の中には一定の割合で、真面目に働いたり、よく考えた上で、冷静に正しい意見を言おうとするのではなく、多くの人々が、わりと単純に共鳴しそうな少し荒っぽいスローガンで扇動したり、乱暴狼藉を働いたりして、そうした人々の努力や立場を、全く無にするような言動をするような人々が出てくることがあるということです。

 そして、こうした後から考えてみると、全く訳のわからないような誤ったスローガンで多くの人々を扇動したり、散々乱暴狼藉を働くような人々が政権を握ったりすると、残念なことに、しばらく経つと、そんなスローガンはどこ吹く風で、そうした一部の人々だけが、とてつもなく大きな権力や利益が得られるような、かなり強権的な独裁政権になったかと思うと、その後、長い長い大変な不景気に陥って、国全体が、さらに貧しくなっていったり、また場合によっては、とんでもない軍事政権が誕生して、外国に侵略していったり、自国内の敵対勢力に、かなり非人道的な弾圧を加えたりしているうちに国内が、すっかり内戦状態になってしまうこともあるようです。

 それでは、こうした社会の発展期には、いったい何が大切なのかというと、これは先ほども述べたように、多くの人々が必要とする物やサービスを真面目に作ったり、売ったりしている人々が、その努力や働き相応に豊かな富が得られるようになることを、国や社会の立場として、しっかり認めてゆくと共に、そうした際に起きがちな社会の混乱や不平等を少しでも小さく抑えてゆくために、貧しい人々や社会的な弱者の人々の権利や生活を、できるだけ、しっかり保護していったり、また、そうして産み出された富を上手に再配分してゆくような政策が、どうしても必要になってくるようなところがあるということが言えるでしょう。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2016年10月11日 9:03 PM, 政治 / 歴史 / 社会、文化 / 経済 / 軍事



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