Light Symbol

民主化や近代化の草創期の問題と、その解決策について Part 17

 ところが、不思議なのは、そうした発展途上国の人々が、先進国に行って、いろいろなことを学ぼうとすると、多くの場面において、「ああ、これは現在は、ただでいいことになっているから」とか、「これは当たり前の医療サービスだから」とか、「これは昔からこうなってるから」などと説明されているうちに、そうした先進国の国々が、まるで昔から、ものすごい金持ちで、道徳的で、立派な建物がいっぱい建っていて、隅々まで整備された、素晴らしい理想郷のような所だったように見えてきてしまうことがあるのです。

 そうすると、そうした先進国の様子を見た発展途上国の人々の中には、「いや、うちの国は貧乏で、どうしようもないから・・・」とか、「あんなの完全な別世界だから、山と野っ原や、海しかない、うちの国が、そんな発展するわけないよ」とか、「あの人たちは、もう人間が違うんだ。うちの国の、この荒っぽくて、埃っぽくて、けち臭い保守的な考え方の塊のような人達が、あんな風になるわけないよ」などと、すっかり心の底から思い込んでしまうような人々が、数多く出てきてしまうようなのです。

 それでは、その人たちの意見は、本当に正しいのかというと、全然そういうことはなくて、現在の主だった先進国と言われるような国々であっても、少し時代を遡ってみれば、ほとんど何の開発もされてないような原野に、結構荒っぽい山師や、一攫千金を狙う博打打ちや、半分盗賊まがいの山賊、海賊のような人々が大勢いたような国であったり、また、表向きの建前やスローガンは別として、現実の社会の状況は、戦争や不況の繰り返しで、どうしようもない停滞国であったり、あるいは、様々な対立や貧困の中で、政治的混乱や軍事クーデターが、しょっちゅう起きていたような国も、結構多かったりしたものなのです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2016年9月29日 9:02 PM, 政治 / 歴史 / 社会、文化 / 経済



«

»

おすすめ記事

過去の記事