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職業と人生 Part 6

③経済成長の著しい社会では、ともすれば、非常に単純な物差しで人間の上下が決まってしまい、一部のあぶれた人々が、アンダーグラウンドな世界を形成してゆくことがあるので、注意が必要である

 それから三つめは、これは、あまり気にしている人は少ないかもしれないのですが、こうした時代には、まだ先進国や文化国として、あまり成熟していないことが多いので、たいてい、「この人達は勉強のできる秀才で、この人達は、勉強のできない落伍者」とか、「この人達は、ものすごい高給取りのエリートで、この人達は、ごくごく普通のサラリーマンや日陰の世界で働く人達」などというように後の時代から考えてみると、かなり単純極まりない物差しによる人間の良し悪しや上下の価値観というものが決まってしまうことが多いものなのです。

 そうすると、これはとても不思議な話なのですが、なぜか、そうした時代には、結構派手なキラキラした衣装や装飾品や乗り物のようなものが非常にもてはやされたり、また逆に非常に価値があるとされるような大昔の骨董品のようなものが、同じようにあちこちで流行ったりするようになるものなのですが(多くの人々が、本当の自分自身の価値が見いだせないので、できるだけ豪華な持ち物を持つことで、それを確認しようとしがちだから・・・)、そうした時代には、大きな都市や街の一部にあまり正当な仕事とは言えないような、ちょっと得体の知れない収入源を見つけては、はっきり言うと、普通の職業に自分の満足を見いだすのではなく、街のあちこちに縄張りを張っては、しょっちゅう喧嘩やいじめや盗みのようなことをしたり、場合によっては、非合法なドラッグの売り買いや売春を斡旋(あっせん)したりしながら、様々なアンダーグラウンドな行為で生計を立てるような人々が出てくるようになるものなのです。

 つまり社会全体としては、どんどん発展しているとしても、その一方で、はっきり言うと、ほぼ生まれや運と言ってもよいような理由で、あちこちで人間の上下が、あまりにもはっきり決まってしまうような社会の状況になっているような場合には、そうした社会の流れにうまく乗り切れないような一部の人々は、普通の社会的な営みはすっかり諦めてしまい、いわゆるアンダーグラウンドな生活で身を立てるようになってしまうことがあるのです。

 この場合には、うまく社会全体の舵取りをしながら、そうした人々や、そうした人々の近くにいる人々に、様々な形の更正のための機会を与え続けるようにしてゆかないと、悪いケースの場合には、いつの間にか、そうした社会全体が発展し損ねて、アンダーグラウンドな社会になってしまうこともあるので、非常に注意が必要なようです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2015年2月19日 9:03 PM, 人生観、世界観 / 成功論、繁栄論 / 歴史 / 社会、文化



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