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職業と人生 Part 4

4、たいてい経済成長の著しい国の社会では、全体としては、常により良くなってゆくものなのだが、それぞれの人の職業や人生では、かなり大きな変化と浮き沈みが起きがちである

 さて、それでは、さらに時代が進んでゆくと、いったい、どのような仕事の世界になってゆくのか、というと、これは、まだ現在の日本が置かれているような社会の状況になるのですが、大まかに言うと、次のような五つのことが言えます。

 

①経済的に豊かになり始めたばかりの社会では、多くの人々が、自分の仕事や人生に迷いや不安を抱きやすいものである

 一つめは、ある程度、経済的に豊かになり始めたばかりの社会というのは、たいてい古い時代と新しい時代の変化の板挟みや、あるいは、自分が住んでいる国の文化と、それ以外の外国の国々の文化の違いとの板挟みになることが多いので、これは、あまりはっきり指摘されることはとても少ないのですが、多くの人々が、非常に迷いや悩みを抱えやすい時代であるということが言えます。

 たいてい、そうした時代には、多くの人々が、それ以前の時代から整えられてきた、わりと画一的な教育制度から、まるで大量生産された工業製品のように一律に社会の中に押し出されるような状況になることが多いのですが、そうした社会の状況であると、強い信念を持って、一生、ずっと同じような仕事に取り組めるような人々というのは、わりと少なくて、「自分は、本当にこの仕事に向いているのだろうか」とか、「毎日、一生懸命仕事しているけれども、何となく自分は、自分に嘘をついて、生きているような気がする」とか、「他の人の仕事は、すごく良さそうに見えてくるので(実際に聞いてみると、他の人は他の人で同じような悩みを抱えていることも多いのですが・・・)、自分は、何となく奴隷や負け犬のようにも感じてきてしまう」とか、さらには、「社会に出て、しばらく経ったら、若い時に選んだ仕事ではない、本当に自分がやりたい別の仕事がはっきりしてきたので、思い切って転職してみることにした」とか、あるいは、「その仕事に就いた時には、そんなに面白い仕事とは思わなかったけれども、長く働いているうちにだんだん、その仕事のやりがいや面白みがわかるようになってきた」などというように、はっきり言うと多くの人々が、多かれ少なかれ、様々な迷いや不安を抱えながら、何らかの仕事に就いているような状況になることが、とても多いのではないか、と思われます。

※近代社会になる以前の社会でも、そうしたことはあったとは思うのですが、ただ、先ほども述べたようにそうした昔の社会では、ほぼ運命論的な形で、自分の仕事や人生が決まってしまっているような感覚が強かったので、そもそも、そうした仕事や人生の悩みや不安を持ちづらかったのと(つまり自分で選んだり、変えられるという感覚自身がほとんどなかった)、あと、そもそも、そうした悩みや不安を抱える前に、その人の仕事や生活がうまく行かなかった場合には、飢えや怪我や病気で、わりと短期間のうちに亡くなってしまうケースが多かったように思われます。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2015年2月17日 9:03 PM, 人生観、世界観 / 成功論、繁栄論 / 歴史 / 社会、文化 / 経済



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