Light Symbol

「愛」について Part 21

 長いので、二つに分けました。

 

 それから第四には、これは、あまり考えたことのある人は、少ない話になるかもしれないのですが、ここでは、手短かに「愛」と「幸福」の関係や、その注意事項について、幾つか考えてみたいと思います。

 第一には、愛の心は、誰をも、すぐに幸せにするような万能の手段であるが、ただ愛は一つ間違うと、最悪の失敗や不幸を呼び込むような危険な要素もあるので、常に愛の行為は、慎重な知恵と配慮のもとに行われるべきであるということです。

 第二には、愛の最高の長所は、人間に最高の幸福をもたらすことであるが、それと同時に愛の最悪の欠点は、ともすれば、そうした愛に酔って、道を誤り、人間を最も不幸にしてしまうこともあるということなので、もし常に最高の幸福を実現するための愛の行為を行いたいのであれば、常に愛の中にあって、「幸福の実現」という最終的な目的は、絶対に忘れないように心掛けることと、それから自分や他の人々や生き物達の幸福のための愛の行為はよしとするが、それを通り過ぎて、自分も含めた誰かが不幸になるような愛の行為は、厳に慎まねばならないことを、よくよく肝に銘じなくてはならないということです。

 第三には、これは、ものすごく慎重な知恵と配慮とバランス感覚が必要な話になってくるのですが、おそらく今後の未来社会において、こうした「愛の行為」と「幸福の最大化」のために最も慎重な知恵と配慮とバランス感覚が必要になってくるのが、人間本来の根源的な欲求としてのセックスへの欲求というものを、その時々の個人や家族や集団や社会全体の最良の秩序や調和の中で、いかにあまり混乱や失敗がないような形でうまく充足してゆき、そして、より多くの人々が、本当の本心からの最高の幸福を実現してゆけるかということになるのではないか、ということなのです。

 つまり人類の社会が発展して、物質的な豊かさが限りなく実現してゆくと、そうした物質的な豊かさを実現できるようにした国や社会の秩序や調和の原理と、人間の根源的な幸福欲求の一つであるセックスのあり方が、いろいろなところでぶつかり合い、多少社会が混乱してしまうことがよくあるのですが、その際に古くからの宗教や道徳の制約に縛られて、あまり極端に性的な自由を制約するような方向に社会が進むと、結局、そうした社会というのは、どこかの段階で、多くの人々の潜在的な不満や不幸を現実化するような形で、長い停滞や衰退に陥ることがあるので注意が必要であるということなのです。

 つまり、もっと簡単に言うと、人間の幸福という要素の中に、人間の根源的な幸福欲求の一つであるセックスへの欲求というものをある程度、肯定的に考慮しておかないと、本当の愛の実現は出来ないというような、ちょっと難しい社会の舵取りが必要になるようなところがあるということです。

 

 さて、ここまで「愛」と「幸福」に関して、大まかに四つの内容を述べてきたのですが、要約すると人間は、ともすれば、「愛」を最高の目的そのもののように考えてしまうことがあるが、それは大きな間違いで、本当は「愛」とは、単なる手段にすぎず、そうした愛の行為の目的は、自分自身も含む、できるだけ多くの人々や生き物達の幸福の実現の方にこそあるということ、つまり自分自身も含めた、より多くの人々や生き物達の幸福の実現こそが、愛の本当の目的であるということを、時折、しっかり思い出す必要があるということが、こうした「愛」に関する話の総まとめになるのではないか、ということです。

 

Cecye(セスィエ)

2012年12月28日 8:36 PM, イスラム教 / インド思想、ヒンドゥー教 / キリスト教 / スピリチュアリズム、霊界 / ユダヤ教 / 中国思想 / 人生観、世界観 / 仏教 / 健康、医療 / 宗教、道徳 / 愛について / 政治 / 知恵、正しさ / 社会、文化 / 神道 / 経済 / 自然、生命



«

»

おすすめ記事

過去の記事