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コラム 現在の日本では、中学生ぐらいまでに将来の自分の生活に身近な法律の知識ぐらいは教えておいた方がよいかもしれない

 現在も時折、かなり未成年の人が、結構、凶悪な犯罪を、わりと軽い気持ちで行ってしまうことがあるようなので、ここでは、そうしたことに関して、簡単な感想を述べてみたいと思います。

 現代の先進国では、コンピューターやインターネットの発達で、バーチャルな情報は、莫大に増え続けてきています。

 そうした状況に伴い現代の子供は、家庭環境によっては、自然の中での体験や、現実の世の中での体験が、若干足りなくなってきているところがあるようです。

 そうした社会の変化の結果、現在の学校教育では、様々な体験学習を取り入れるようになってきているようなのですが、私は、現代人が知っていそうで意外と知らないために、後々結構、苦労しているものの一つに「法律に関する知識」があると思われるので、できれば、中学生ぐらいまでに、よく世間で問題になるような法律の基礎的な知識ぐらいは、わかるようにしておいた方がよいのではないか、というような感想を持っています。

 それというのは、これは、わりと単純な話なのですが、よくニュースに載るような凶悪な犯罪を犯すような人に限って、「それは世間では、犯罪として罰されて、何年間も刑務所に入れられるような話なんだけど・・・」とか、「こういうことをすると犯罪として罰されますが、そうでない、こういう行為は犯罪としては罰されません」とか、「こういう罪を犯すと、こういう刑罰を受けることになっていて、実際、そうしたことを知らずに、わりと軽い気持ちで犯罪を犯した人が、後でかなり強く後悔しています」などというような、わりと単純な基礎的な法律の知識や社会の現実を知らないことが、あまりに多すぎるように思われるからです。

※犯罪や事故の様子は、すぐにニュースで報道されるのですが、その後の被害者や加害者の様子は、あまり詳しく報道されないことが多いので、後々、そうした現実の状況になってから、「なぜ、あんなことをしてしまったのだろう?」などというような感じで、とてつもなく後悔する人が多いようです。数年の学校生活で参っているような人が、そうした犯罪で数年、数十年と刑務所で暮らすような未来がありえると知ったら、たいてい、あらかじめやめると思いませんか(十代で大きな犯罪を犯してしまうと、おそらく当人としては、その時点では、ほとんど予想していないのでしょうが、被害者やその家族の人々が苦しむのみならず、加害者となった人やその家族の人々も、その後、10年、20年と、かなり厳しい人生の反動を受けなくてはならないような状況になることがあります)。

 つまり単純に言って、数百円の商品でも、お店で万引きすれば、窃盗罪に問われて、結構大変なことになるけれども、どこかでアルバイトして、数万円稼いで好きなものを買うなら、誰にも迷惑をかけることもなく、自分の好きなことをし続けることができる、というような自由主義社会の市民としての基礎が、あまりわかっていないような人が、そのまま社会に出るようになると、結果として、どこかで大失敗してしまう可能性があるのではないか、ということなのです。

 おそらく現在の日本のような先進国だと、こうした基礎的な法律に関する知識は、せいぜい数十ぐらいある程度、具体例を知っていれば、よくニュースで取り上げられるような単純な犯罪は、かなり減るのではないか、と思われるのですが、これと道徳教育を組み合わせるのであれば、昔のように単に「何々してはいけない」と厳しく押さえつけるのではなく、そうした犯罪行為による他の人々への被害や迷惑は、いったいどのようなものなのか、ということを、一人一人がある程度、具体的に考えるような機会を持つことが、とても重要なのではないか、と思われます。

 学校に通ってくる子供達の中には、親がとてもしっかりしていて、そうした内容をほとんど何も教えなくてもいいような子供がいるのは、確かに事実なのですが、残念ながら、そうではなく、法律なんて聞きかじっただけで、ほとんど知らないし、何をやった場合、犯罪として罰されるのかということも、あまりはっきりわかっていないような子供も時折いるようなので(そもそも六法全書なんて見たこともなし、読んでも何もわからないとか・・・)、私は、現在のような時代では、わりと身近な実用的な法律のイロハのような内容は、できれば中学生ぐらいまでに民主主義国の市民として、一通り知っているような状況にしておいた方がよいのではないか、と思います(参考)。

※要するに「その法律は、なぜあるのか」とか、「一見、難しそうだが、結局、その法律は、どんな意味なのか」とか、「どんなケースでは犯罪として罰されるが、どんなケースでは、そうならないのか」とか、「一人で生活するようになって、そうしたケースで困った場合、どこに相談すればよいのか」とか、「一生懸命、仕事をすることはとても良いことだけど、もし自分の仕事上のミスで死傷者を出した場合には、結構重い罪に問われることもある(ニュースでよく聞く、業務上の過失による罪など)」とか、それから「法律は、どのようにして作られ、変更したり、廃止されたりするのか」というようなことは、ある程度知っていることが必要なのではないか、ということです。

※もし時間が十分にとれないというなら、簡単な小冊子程度の市民に身近な法律のガイドブックのようなものを読ませるか、そうした話をしっかりしておけば、十分だと思います。

 

Cecye(セスィエ)

2015年3月26日 9:03 PM, おすすめ記事 / コラム / 教育 / 知恵、正しさ / 社会、文化



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