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本当に物事が、よく分かっているかどうか、ということは、物事の本質ややり方を、どれだけ手短かに簡単に分かりやすく説明できるかどうか、ということに尽きているようなところがある Part 5

③いっけん難しそうな数式や専門用語であっても、常日頃から、それらを使って、仕事や研究をしている人にとっては、単なる便利なツールや省略言葉に過ぎないようなところがあるので、難しい数式や専門用語は、日頃、自分が使っている、できるだけ簡単な自分の言葉に置き換えて、理解し直せばよい

 第三には、今度は、物事の理解の仕方についての話になるのですが、私が、現代の多くの人々を見ていて、非常に気になるのは、「これは、誰にでも(もしくは、頭の悪い人にでも)、すぐ分かる簡単なことだが、これは、頭の良い特別な人にしか分からない、ものすごく難しいことである」とか、「これは、インテリのような頭のいい人間には分かるが、学校で、ろくな成績をとったことのない自分には、全然分からないことである」などと心の底から、すっかり深く思い込んでしまっているような人々が、非常に多いということなのです。

 ところが私の考えでは、それは、ほぼ完全に誤った思い込みにしかすぎなくて、実際には、どんなにいっけん難しそうな内容でも、ある程度、簡単な言葉や喩えに直してもらえば、誰でも、ある程度は理解することができるし、また、たいていの難しそうなものというのは、パッとした見た目や専門用語の難解さから多くの人々が、勝手に「難しい、分からない」と思い込んでいるだけで、本当はある程度、時間をかけて、ゆっくり理解し直すような機会さえあれば、普通の知性を持った人なら、ほぼ誰でも理解できるのではないか、というように考えているのです。

 特に現代の多くの人々が、パッと見ただけで、もうすぐに「難しい、分からない」と引いてしまいそうな内容に、数学や物理や化学でよく目にするような「数式」と、それから政治や経済や法律の世界でよく目にするような、ちょっと、とっつきにくそうな「専門用語」があげられるのですが、私が考えるには、いずれにしても、はっきり言って、そうした数式や専門用語を毎日のように使って、仕事や研究をしている人々にとっては、それらは難しい数式や専門用語というよりも、日頃の仕事や研究において、パッと正しい答えを出すための単なる便利なツールや、あるいは、非常に長くて、ややこしくて面倒くさい説明を省いて、パッと一つの概念ややり方を言うための、単なる便利な省略言葉に過ぎないようなところがあるのです。

 ですから、本当は誰でも、そうした専門の仕事や研究についている人々の説明を直接聞く機会があれば、「ああ、これは、いっけん、ちょっとややこしそうな数式なんだけど、要は、○○という有名な科学者が、こういう実験をしたら、こういう法則が分かったということなんだよ」とか、「要するに車や飛行機を設計している人は、この数式を使うと、パッと、こういうことが分かるんで、ものすごく便利なんだ」とか、あるいは、「この法律言葉は、いっけん難しそうなんだけど、要するに、こういうことだよ」とか、「この法律は、こういう目的で作られたものなので、現代では、もうちょっと時代遅れになってきているから、国会で変えた方がいいかもね」とか、「この法律の文章は、要するに、こういう悪いことを考えるような、とんでもない人が出てくるといけないんで、そういう人向けに書かれている内容なので、普通の人は、あんまり関係ないね」などというように、本当は、それほど一々頭を抱え込んで難しく考えなくても済むような話であるはずなのです。

 ところが普通の人には、なかなか、そういう機会がないので、結局、多くの人々は、いつの間にか、そうした専門の人にとっては全く当たり前、というか、別にそれほど難しくもないような、単なる便利なツールや省略言葉に過ぎないような数式や専門用語を見るだけで、もう反射的に「とてつもなく難しい・・・」、「自分には、絶対分からない・・・」などと考えるような妙な習慣ができてしまったのではないか、ということなのです。

 

 続く・・・

 

 

 

Cecye(セスィエ)

2012年10月6日 9:03 PM, 教育 / 知恵、正しさ



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