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人間の信用や信頼感について Part 4

3、高度に経済の発達した国や地域では、人、物、金、情報など、その社会のあらゆる面で、かなり高いレベルの信用の蓄積が行われていることが多い

 さて、今度は、さらに話が変わりますが、実は、こうした形で今日、人類が、最も莫大な恩恵を受けているのが、私達の生活になくてはならないお金の世界、つまり、経済や金融の世界であるのです。

 これは普段、あまり深く考えたことのある人は、少ないかもしれないのですが、実は今日、多くの人々が、非常に大きな幸福や豊かさを享受していられるのは、ひとえに経済の世界、特にお金や物に関わる信用というのが、非常に大きくなってきたからなのです。

 これは経済書ではないので、ここでは、かなり説明をはしょって、要点だけを説明しますが、要するにお金に関する信用の概念というのは、こんな感じのことです。

 現在、特に高度に経済の発達した先進国で生活している人々は、よほどの自然災害や経済混乱にでも見舞われない限りは、かなり安定した豊かな経済生活を送っていると思われるのですが、実は、その原点の原点というものをつぶさにたどってゆくと、多くの人々が、「これは絶対に確かなものだ。そう簡単にはなくなるはずがない」とか、「この会社の製品やサービスは、本当に素晴らしい。ぜひ、この次も、この会社の製品やサービスを使いたいものだ」とか、「この銀行は、もう百年も前からずっと、かなり信頼できるような金融サービスをやってきている。だから、今後も、よほどのことがない限りは、そう簡単には、つぶれたりしないだろう」とか、「これだけ立派な学校なら、入学すれば、絶対に素晴らしい優れた知識や技術を身に付けられるだろう」とか、「小さい頃から、ずっとお金を使ってきたし、外国と違って、この国では、そう簡単には、ものすごいインフレによって、お金の価値が、ものすごく下がることなんて、絶対にないだろう。だから今後も、お金は大切に蓄えたり、投資したりしてゆこう」とか、「今の経済の調子だったら、絶対に、この株や土地の価格が急に下がることはないだろう。だから、ここは、できるだけ多く買っておかなくては・・・」などというように、そうした経済の基本単位になっているお金や証券や土地や企業や商品やサービスや、はたまた、それに関わる人や物や文化など、その国や地域で価値があると言われているような、ほぼすべてのことに関して、「あれも信用できるし、これも信頼できる」などというように、かなりの信用の蓄積がなされていることが多いのです。

 逆に言うと、あまり経済の発達していない貧しい国や社会では、「ここのお金は信用できないから、外貨で持っていないと心配で仕方ない」とか、「ここの政府や経済政策は全然、信用できないから、もうちょっと先のことでも、いったい何が起きるか、全然、見当がつかない」とか、「あっちでも、こっちでも銀行や会社がつぶれているし、失業してる人や夜逃げしている人もいて、とても大変だ」とか、「経済が不安定だから、落ち着いて、子育ても子供の教育もできない」とか、「長引く内戦や犯罪の増加で、人も社会も全然、信頼できなくなった」とか、「政治が流動的すぎて、全然、将来の見通しが立てられない」などというように、はっきり言うと、「あれも信用できないし、これも信頼できない」などというように、本来、その国や社会で価値のありそうなものが、どれもこれも、あまり信頼できない、つまり、信用の蓄積が非常に不安定で、ほぼ全くできていないような状況になっていることが、非常に多いのです。

 そうすると、結局、高度に経済が発達している先進国と、そうではない、ある程度まではうまく行っても、途中でぎくしゃくして、そうした経済発展がうまく行かない発展途上国や、また場合によっては、経済後退国になってしまう国との一番の違いは、結局、何なのか、というと、その根本の原点の原点をたどってゆくと、その国や社会で、いったい、どれだけ政治家や役人が、あるいは、一つ一つの企業や個人が、より人々に信頼されるような信用関係を築き上げているか、あるいは、それが出来ていないか、ということに尽きてくるようなところがあるのです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2013年12月6日 9:08 PM, 人生観、世界観 / 知恵、正しさ / 経済



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