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昔の日本の神話について Part 4

6、「太陽神」を最高神に祭るような自然崇拝をしていると、「常に現状維持で何もしないで、そのままなのが一番いい」というような万年停滞社会になりがちなのだが、日本の場合、常に大陸の文明国の影響を受け続けるような地理的な場所にあったために、自然崇拝と高度な文明が両立できるような非常に稀なポジションに立てた

 それと、さらに問題があるのは、「太陽神」を日本の最高神に祭ってしまっていることなのですが、その理由は単純で、確かにこの物質世界では、「自然の存在、というか、身近な物に何でも霊が宿っている」というような宗教形態になっていると、そうした「自然の万物、というか、身近な物の中で何が一番最高なのか」と言ったら、「あの眩しく輝く太陽しかないではないか」というような話になるので、「そうだ、太陽の神を最高の神にしよう!」と考えたのも分からなくはないのですが、ただ宗教形態としては、これは最悪で、それというのは、こうした太陽を神にしてしまうと、太陽の象徴するのは、自然そのものということになってしまうので、その結果、人間の自由や創造力が、わりと簡単に全否定されてしまい、何をやるにしても、「そのままが一番いい」、「何もしないのが一番いい」、「できるだけ何もせずに、そのままにしておくのが一番いい」などという具合に、よほどのことが起きない限り、多くの人々は、いったんある程度、形になっている生活や社会のあり方を、とにもかくにも何も変えずにそのままの状態で維持してゆこう、というような社会のあり方になりがちであったということなのです。

 つまり、こうした神道にどっぷり浸かった生活をしていると、「おっと、この石を触ると穢れが移る」とか、「この木を切ると祟りがあるので、そのままにしておこう」とか、「王家の悪口を口にすると祟りがあるので、何も考えないで、とにかく、そのまま従うことにしておこう」とか、「この祭りをやり続けて、荒神を鎮めておかないと怖くて仕方がない」とか、「血の穢れを払わないと村人に死人が出る」などという具合に、はっきり言うと、「あれをやっても祟り」、「これをやっても穢れ」、それから「何をやるにも儀式、礼儀、形、言葉、物・・・」などという具合に、はっきり言うと、その社会の隅から隅まで儀式や慣習だらけの硬直化した社会になってしまうので、結果として、多くの人々が、非常に不幸な状況に置かれたまま、一部の権力者のみが、そこそこ贅沢な生活をし続けることができる、というような万年不幸状態の社会に陥りがちであったのです。

 つまり神道のルーツというものを単純に推測してゆくと、まだ近代に至るまで、世界中で結構根強く残っていた呪術崇拝になるのではないか、ということなのですが、要するにそうした呪術崇拝の世界であると、自然の中の万物には、霊魂が宿っているので、それらの意思を十分に汲んで、いろいろなまじないや儀式をしっかり行いながら、その村や民族の長(おさ)の言うことにしっかり従ってゆかなくてはならない、というような形で、そうした呪術崇拝の村落や社会のあり方が、数年数十年どころか、それこそ数百年でも数千年でも、そのまま、えんえんと続いてゆき続けるような万年停滞社会になりがちであったということなのです。

 ただ日本が、そうならなかったのは、ひとえに非常に文明の発達していた大陸と、目と鼻の先のような距離の場所にある島国であったために、何か大陸で一騒動あるたびに逃げ出した難民みたいな人々が、いろいろな財産や技術を携えてたくさんやってくるとか、大陸で一旗揚げようとした人々が、ちょっとした侵略や略奪行為を試みてくるようなことが、何度も何度も、えんえんと繰り返されてきた結果、単なる孤立した島国ではなく、大陸の文明国の影響は、かなり濃厚に受けているけれども、そことある程度、ルーツ的に共通した人々が独立国になったり、あるいは、半分独立国みたいなスタイルになったりしながら、ずっと統治し続けてきたからではなかったのか、ということなのです(客観的に見る限り、日本人も、韓国や北朝鮮の人も、中国人も見た目は、ほとんど一緒ですから・・・。中国人や韓国人のような東アジア出身の人が、普通に日本語で話していると、パッと見たぐらいでは、私には、日本人とほとんど見分けがつきません)。

※万物を育み、生かす「光」の象徴というような観点で、「太陽」を神の象徴として捉えるのであれば、それほど問題ないのですが、ただ日本の場合は、ほぼ明らかに呪術に基づく自然崇拝のような宗教形態だったと思われるので、こういう場合は、やはり若干問題があるのではないか、ということです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2012年3月28日 9:06 PM, おすすめ記事 / スピリチュアリズム、霊界 / 宇宙文明、古代文明 / 宗教、道徳 / 歴史 / 神道 / 自然、生命



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