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霊的、現代的な観点から見た仏教の教えについて Part 4

 こうした一昔前までの世界の状況であると、はっきり言って、そこそこ幸福に自由に生活できるような人生を歩めた人であるなら、それほど人間の人生について、深く考える必要もなかったのかもしれませんが、そうではなく、かなり過酷な大変な人生を歩んでいた人々にとっては、釈迦の「人生は苦なのだ」というような教えは、かなり切実に強い説得力をもって、受け入れられたでしょうし、また釈迦の教えによって、そうした大変な人生をそのまま大変な不幸なうちに生きるのではなく、仏に帰依したり、なるべく執着しすぎずに、淡々と慈悲深い精神性で生きることは、かなり大きな安らぎや幸福感をもたらしたのではないか、と思われます。

 ですので、こうした観点から考えてみる限り、現代の特に先進国で生活している人々にとっても、仏教的な心の平安を目指してゆくような生き方は、ある程度、そのまま推奨されるのでしょうが、それでは、現実に「現在の世界はすべて苦なのか?」と問われれば、現代の世界は、単に精神的な幸福のみを目指すような世界ではなく、精神的にも、また物質的にも、この世界全体の幸福を目指すような社会の方向性に、すでに大きく変わってしまっているようなところがあるので、実際問題として、「現在の世界は、それほどすべて苦ではなく、幸福なことも、たくさんある世界に変わってきている」ということが言えるのではないか、と思われます(参考1参考2)。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2021年5月24日 9:04 PM, インド思想、ヒンドゥー教 / 人生観、世界観 / 仏教 / 宗教、道徳 / 歴史 / 知恵、正しさ / 社会、文化



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