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霊的、現代的な観点から見た仏教の教えについて Part 14

「無記(むき)」について

 仏教では、「無記(むき)」と言って、釈迦が、弟子からの質問に答えなかった内容についての記録も多少残っているようです。

 一般には、釈迦が、霊的な解脱(げだつ)という目的を達成するのに、あまり役に立たない内容については、はっきり答えなかった、というような捉え方をされていることが多いようです。

 そうした形で釈迦が、はっきりと答えなかった質問の中には、霊体と肉体の関係や、死後の生命の存続についての質問などもあったようなのですが、はっきり言って、これは誰であっても、ほとんど同じなのではないか、と思うのですが、その人が属する社会において、あまりにも当たり前のことを、一々食い下がるように質問してこられても、普通、それほどきっちりと相手にしないことが多いのではないか、と思います。

 また、このケースの場合には、そもそも、そうした霊的なことをある程度よく知っているからこそ、霊的な解脱を求めて、釈迦の所で修行していた人物の質問だったようなので、おそらく当時の釈迦の感覚としては、「そんなことは他の人に聞かなくても、自分自身でよく考えれば、わかるのではないか」などというような感じで、少し呆れて、答えなかったのではないか、というように思われます。

 この辺りのやり取りが、後の時代にかなり拡大解釈されて、「お釈迦様は、霊魂の存在や、死後の世界などないと暗に示したのだ」などというような捉え方をされることもあったようなのですが、先ほども述べたように釈迦は、霊的な話を、まるで当たり前のようにたくさんしているので、そうした拡大解釈は、ほぼ完全に間違っているのではないか、というように思われます。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2021年6月15日 9:03 PM, インド思想、ヒンドゥー教 / スピリチュアリズム、霊界 / 中国思想 / 仏教 / 宗教、道徳 / 知恵、正しさ



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