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民主化や近代化の草創期の問題と、その解決策について Part 34

 ですから、はっきり言うと、現在においても、かつて、そうしたことの被害者にされた経験のある、特に一部の発展途上国の国々の人々の感覚としては、確かに現在の先進国の国々の制度や考え方は、素晴らしいとは思うけれども、その反面、昔の歴史の経緯を考えると、「やっぱり、あの人たちは、なんだかんだ言っても、本当は、侵略や略奪が本音なのではないか」などというように、多少、いぶかりながら付き合っているようなところもあるわけです。

 そうすると、ここで非常に微妙な、ややこしい問題が発生してくることになるのですが、そうした歴史の経緯から現在の先進国を見ていると、どうしても一部の発展途上国の国々の間では、「なんだかんだ言っても戦争で勝てば、自分達も同じようなことができるのではないか」とか、「経済が発展すると、昔と違って、みんなで同じような生活をしている共同体がすっかりなくなってしまい、成功してる人と、貧しい人が、どんどん差が開いてきて、とんでもない社会になってきたが、これも元をたどると、あの人たちのせいなのではないか」(よく調べてみると、たいていの場合、「昔は良かった」というのは、ほとんど幻想に過ぎないことも多いのですが・・・)とか、「昔は、先進国の人々も、散々、とんでもない軍事力の行使をしてきたくせに、自分達の国が発展してきたので似たようなことをやると、なんで、すっかり悪者みたいに言われるんだ」とか、「自分達は、こんなに貧しい生活をしているのだから、いくら頑張っても、あんな立派な建物が、いっぱいある文化的な国になるわけないだろう」とか、さらには、宗教的な理想を盾にとって、「国の発展とか言うけど、これは昔の宗教の教えに背く、とんでもない悪魔の行為なのではないか」などというように、そうした国々に住む人々にとっては、結構、かなり説得力のある感じで、現在の先進国の国々の文明をすべて全否定できるような、しかも、一見、かなり大義名分の成り立つような理屈が、いくらでも成り立ってくるようなところがあったのです。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2016年11月14日 9:03 PM, 政治 / 歴史 / 社会、文化 / 経済 / 軍事



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