②作品や仕事の完成度に必要な部分をしっかり見極めるためには、できるだけ実際の経験や客観的な実績を積み重ねてゆくのが望ましい
二つめは、これは、あまり考えたことがないかもしれないのですが、世の中には、周りの人々がほとんど気付かないようなこと、つまり、ほぼ不必要と言ってもよいようなことに対して、ものすごく細心の注意を払い、また、ものすごく潔癖性的な態度で完全性を目指す人がいるのですが(私もそんな所があります)、こうした人は、ケースによっては、本当にかなりの天才的人物として持ち上げられるようなこともあるのですが、私が知る限りは、おそらく半分ぐらいの人は、単に不必要な余計な仕事を増やしているだけのケースが、非常に多いように思われるのです。
つまり世の中には、その作品、あるいは、その仕事が完成したと認められるために絶対的に不可欠な要素と、そうでない要素の大きく二つの要素があるのですが、そうした絶対的に不可欠な要素の部分というのは、実は、自分一人であまり思い込みすぎずに、誰かに客観的な意見を聞いてみるとか、観客や顧客の反応を実際に見てみるようなことをしてみないと、現実には、なかなかよく分からないことが多いのです。
そして、こうした他の人の客観的な意見や、観客や顧客の反応のようなものを実際に肌で感じながら、たくさんの経験や実績をどんどん積み重ねていった人は、それほど遠回りせずに、わりと自然体の状態で、自分なりの作品作りのポリシーや仕事の完成度の高さを築いてゆくことができるのですが、そうした立場に立てない人は、残念ながら、だんだん、それほど必要とは思えないところにばかり力の入った、少し路線のずれた作品や仕事が多くなってゆく傾向があるようなのです。
ですから、こうした視点から見ると、そんなに高いレベルを最初から目指さなくてもよいから、どこかの学校や集まりに入ったり、先生についてみるとか、とりあえず、今のレベルで何かを発表してみて、実際の観客や顧客の反応を見てみるような努力をしていった方が、わりと短期間のうちに成功しやすいということが言えるようです。
Cecye(セスィエ)