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王制や独裁制や、官僚主導体制の方が、その国の社会の安定や経済成長の面で、多くの人々をより幸せにしてゆけることもあるが、それには当然、限界もあるので、注意が必要である

多くの人々の思い込みとはかなり違って、民主的な政治体制になっていても、実質的に民主主義が全く機能していないケースもあるので、その場合には、政治的に不安定な民主政治よりも、王制や独裁制や、官僚主導体制の政治形態の方が、社会の安定や経済成長の面で、多くの人々をより幸せにしてゆけることがあるが、そうした制度には、当然、限界もあるので、国民としては注意が必要である

 それでは多くの人々は、民主主義国に住んでいると深く信じ込んでいるにも関わらず、民主政治が、うまく行われていないような国の政治においては、一体どのようなことが起きるようになるのか、というと、それは簡単で、人類の歴史を見渡す限り、こうした状況においては、たいてい、次のような二つの政治状況に慢性的に陥りがちであった、ということなのです。

 まず第一には、とにかく政治が安定せずに、主要な政治家や政党が、ころころ代わる代わる入れ替わるような状況になるのだが、この場合、そうした政治家や政党の変化に関わりなく、その下の官僚の仕事が、わりとしっかりしていた場合には、うまく行くと国内の秩序の維持のみならず、ある程度のレベルまでの経済発展が可能なこともあるのですが、そうでない場合には、特にその国の経済運営の面において、あれをやったかと思えば、今度はこれをやる、などという具合に全く不安定な状況がずっと続いて、万年後進国みたいな状況に陥ってしまうことがあるということです。

 第二には、こうした不安定な政治状況が続いて、その国の国民のフラストレーションが最高潮に達した段階で、よく最終的な解決策として用いられるのが、かなりの強い権力を持った独裁者のような政治家が登場してきて、国内の治安の問題や経済不安を一掃すると共に、結構思い切った軍事的覇権主義のような政治体制をとろうとすることがあるのですが、この場合、その政治家が、本当に心の底からその国の人々を愛し、少しでも良い国づくりをしたいと思っていた場合には、私の知る限り、大体、十年ぐらい経つ頃までには、国内政治の安定と共に、そこそこの経済発展をしているケースが非常に多いのですが、ただ、そうではなく、本当は心の中に非常に邪な野望を持っていただけだったとか、あるいは、その人の知性や能力の面において、非常に大きな問題を抱えていた、というようなケースにおいては、十年経っても、国内の不安は全然なくならないどころか、経済的に見ても、日頃の生活も全く良くならないというような、とんでもない状況に置かれることが非常に多いようです。

 私の結論は、もし、そうした独裁者のような人物が、政治を掌握して十年経っても、ろくな政治的な実績もあげられないようなら、国民の側としては、あらゆる政治的な手段を駆使して、そうした人物には、速やかに政治の世界から退場していただくべきである、というように率直に感じているのですが、実際には、なかなかそうは行かずに、そうした人物というのは、いろいろな口実をあげては、だらだらとそうした政治権力の世界に留まろうとすることが非常に多いように見受けられます。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2011年5月28日 6:03 PM, 政治



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