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民主化や近代化の草創期の問題と、その解決策について Part 7

 これが傍目に見ていると、まるで大金の賄賂や接待が、ものすごく功をそうして、そうした大事業が、あちこちの企業や地方に回ってきたように見えるようなところもあるのですが、ところが、たいていの国の政治では、意外と冷静な目で、その国全体のかなり長期にわたる成長戦略のようなものを立てていることが多いので、例えば、まずは、首都や地方都市の政治に関わるような建物や広場を作ったり、その国の輸出入の玄関口に当たる場所に大きな港や空港を整備しようとか、次には、そうした港湾や空港と、首都や地方都市や、主だった産業のある地域を結ぶラインに、大きな道路や鉄道を整備しようとか、予算は限られているのだが、とりあえず都市を中心に市街地や道路や、水道や電気やガスなどのインフラを整備してゆこうなどというように、本当は賄賂や接待が理由で、その業界や地方に大金が回ってきたのではなく、それぞれの国で、かなり明確に定めている国家百年計画のようなものに基づいて、次々と様々な業界で大事業を始めたり、国のあちこちで大工事を行っているだけであったりするものなのです。

 もちろん、そうした賄賂や接待をしている人々としては、そうした賄賂や接待によって、その業界や地方に、ものすごい大金が流れ込んできたり、次々と大事業が行われているような感覚を、かなり強く持つようになりがちなのは、確かに事実ではあるのですが、ただ長期的に見ると、昔の王制や貴族制の時代と違って、民主制の国では、あまりにも市民からクレームがくるような政治は、なかなか行えないようなところがあるので、実際には、そうしたその国の国営企業に近いような大企業の要望や、それぞれの地方の有力者達の意向を聞き入れるようなところはあったとしても、基本的には、そうした国家百年計画のようなものに基づいて、次々と様々な業界で大事業を始めたり、国のあちこちで大工事を行っているようなところがあったということなのです。

 ですから、実は、こうした社会の腐敗のように見える現象というのは、一見、賄賂や接待といった汚職が、あちこちで起きていて、それで国民の不満が非常に大きく溜まってゆくようなところもあるのですが、その一方で長期的には、そうした国家百年計画のようなものに基づいて、その国が、少しずつであっても、着実に大きな発展をしてゆく最中にそうした社会現象は起きやすい、ということを、ある程度理解しておくと、もう少し冷静にそうした社会の情勢を理解できるようになるかもしれないということです。

※当然のことですが、これは、そうした賄賂や接待のような不正や汚職をよしとしているわけではありません。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2016年9月13日 9:05 PM, 政治 / 歴史 / 社会、文化 / 経済



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