それでは、先ほどから述べているような愛と、知性や人間性との関係に関しては、いったい、どのようなことが言えるのか、というと、だいたい、次のような五つのことが言えるのではないか、と思われます。
1、一般に愛情が深い人は、同時に人間性も高いと言えるのだが、それにふさわしいだけの知性の高さがなければ、その人自身も含めて、本当に多くの人々や生き物達を幸せにできるとは限らない、というような大きなジレンマがある
まず一つめは、単純に言って、多くの人々に良い人であると思われたいなら、自分のことはできるだけ少なく、他の人々や生き物達のことはできるだけ多く考えて、尽くしてゆけるような愛のある人になればよい、ということになります。
ただ、世間の実情を見れば、よくわかるように、こうした愛のある人が、常に多くの人々や生き物達を、本当に幸せにしてゆけるのか、というと、そうとも言えなくて、時には、いろいろな知恵や経験の足りなさから、その人自身が、大きな失敗や挫折を経験してしまうことがあったり、また、そうした大きな失敗や挫折の中で、周りの人々にも大変な迷惑をかけてしまうようなこともあるので、こうした点から見ると、一般には、愛がある人であればあるほど、同時に人間性も高いと言えるのだが、ただし、その時々のその人の立場や役割に釣り合うだけの知性の高さがなければ、その人自身も含めて、本当に多くの人々や生き物達を幸せにできるとは限らない、というような大きなジレンマがあることがわかります。
Cecye(セスィエ)
2019年5月28日 9:03 PM, おすすめ記事 / 人生観、世界観 / 宗教、道徳 / 愛について / 知恵、正しさ