今回から、いにしえの時代から中近東やヨーロッパやアフリカの宗教や神秘思想では、かなり有名な「ヘルメス」の謎について述べてみたいと思います。
ヘルメスというと、ギリシャ神話では、オリュンポス十二神の一人で、ゼウスの使いや、旅人や商人の守護神として有名なのですが、それ以外にも紀元前後から「ヘルメス・トリスメギストス」と呼ばれて、神秘思想や錬金術の方面でかなり重要な役割を果たしてきたようです。
今回から、そうした「ヘルメス」について、霊的に深いレベルで、いろいろと考察してみたいと思います。
※以前は「ヘルメース」という呼び名を使っていましたが、ここでは日本語的な呼びやすさの観点から「ヘルメス」と短い名前で呼びたいと思います。
※この文章は、現在、ヘルメスを初めとするような古代の神仏の生まれ変わりを主張しているような人々や団体とは一切関係ありません。
1、霊的に見たヘルメスの実像について
まず最初に霊的に見たヘルメスの実像について述べてみたいと思います。
前にもギリシャ神話のところで述べたようにギリシャ神話の成立は、幾つかの複数の王朝の変遷の過程や、さらには、それ以前の時代にあった幾つかの神話をかなり巧妙に作り替えていったようなふしが見られるので、当然、現在残っているようなギリシャ神話に登場している「ヘルメス」の話自体は、本当の話とは、かなり違ったものであった可能性が非常に高いということが言えます。
ここでは歴史的な正確性はともかくとして、霊的に見たヘルメスという存在の実像について、七つの点から述べてみたいと思います。
1、霊的に見たヘルメスの起源は、古代ギリシャ文明以前に中近東やヨーロッパやアフリカで信仰されていた「宇宙神」であった
まず第一には、「ヘルメス」という霊的な存在の起源は、実はギリシャ神話の世界よりも遥かに古くて、そうした現在、ギリシャの古代文明として知られている文明が始まる遥か以前の時代から、現在の中近東やヨーロッパやアフリカの辺りで、ほぼ完全に「宇宙神」のような形で信仰されていたように思われます。
この場合の「宇宙神」というのは、いったいどのような存在なのかというと、数千年以上昔の地球人が、祈りや瞑想などの際に自分達の意識を澄まして、霊的な世界に波動を合わせると、ちょうど彼らの上の方から霊的にキラキラ輝く光の存在がやってきて、彼らに対して様々な知恵や天界の方針を伝えるようなことをしていたということです。
その意味で後世、ヘルメスが神の伝令のように言われたのは、ある意味合っていたようなところもあるのですが、ただ後のイスラム教で、アッラーの啓示が大天使ガブリエル(アラビア語では「ジブリール」)を通して伝えられたのとほぼ同じような理由で、その後、かなり時代が下った辺りの段階でギリシャ神話では、ヘルメスよりも、もっと高次の霊的存在がいて、ヘルメスは、その存在の霊的な啓示や指示のようなものを、次々と霊界や地上の人々に伝える伝令係のような存在であるかのようにヘルメスの話が変化していったように思われます。
参考、ギリシャ神話について
追伸
3年前にギリシャ神話について書いて、ちょっと気になるところで、ヘルメスの話が終わってしまったままになっていたのですが、昨年、「そろそろヘルメスについて教えてくれませんか?」という質問が来ていたので、今年の最初の記事は、ヘルメスの話にします。
この手の話は、かなり大昔の話なので、霊的には、かなり慎重に確認し直してから発表することにしています。
みなさんの幸せや霊的な進歩に役立つところがあれば、とても幸いです。
Cecye(セスィエ)
2015年1月13日 9:07 PM, おすすめ記事 / ギリシャ神話 / スピリチュアリズム、霊界 / 宇宙文明、古代文明 / 宗教、道徳 / 歴史