4、人間の完全性と個人の努力について
さて、そうした観点から今度は、人間の完全性と個人の努力との関係について考えてみたいと思います。
①程度や結果はどうあれ、どんな人であっても、夢中になって、自分がやりたい何かをやっている時には、霊的には最高かつ完全な状態になっているのである
まず一つめは、これは単純な結論になるのですが、こうした観点に立つと、実は、よほどのことがない限り、人間の世界には、本当の意味での最高とか、完璧や完全という存在はないということです。
そうすると、いったい何を理想や目的にしてゆけばよいのか、ということになるのですが、これはわりと単純で、最初から他人の評価とか、人の目なんて気にしないで、もし自分がやりたいことがあったら、とにかく、どんな方法でも良いから、気軽にやってみるのが一番であるということです。
当然、後世、どんな「天才」と呼ばれるような人であっても、最初は、あまりうまく行かないことも多いと思われるのですが、もし、そのような形で、たとえ最初は、あまりうまく行かなかったとしても、それでも、「もう一度やってみたい」、「ちょっとでも上達してみたい」とか、「自分が理想とする人物のように、何か素晴らしいことが出来るように頑張ってみたい」と思えるのであれば、この世的にはともかくとして、ある意味で霊的には、その人は、もうその時点での最高かつ完全な状態になっていると考えてよいのではないか、と思われます。
そして、もし、そう思えなかったとしても、それはそれで、「自分は、その分野には、それほど関心や魅力を感じられないことがよく分かった」と単純に理解すればよいのではないか、と私は思います。
Cecye(セスィエ)