今回から、少しギリシャ神話の世界について考えてみたいと思います。
ギリシャ神話について知っている方なら、みなさんよくご存知のようにギリシャ神話というのは、よく読めば読むほど、何が何だかよく分からなくなってくるようなところがあるので、ちょっと説明がややこしくなります。
紙面の都合で、ここでも、ほんの要点のみに触れることにしますが、大まかに要点だけ述べると、だいたい次のような四つの内容になります。
1、現在伝わっているギリシャ神話とは違い、元々の古代のギリシャの辺りの信仰では「多神教」でなく、この宇宙の創造主を中心にその化身、もしくは分霊のような数十の神霊や天使を祭るような「一神教」に近い宗教形態になっていた
まず第一には、これは、おそらく歴史のどこかの段階で、現代のギリシャの辺りの支配者になった人々が、意図的に元々あった内容を大きくすり替えたのではないかと思われる内容になるのですが、要するに現在伝わっているギリシャ神話の話は、元々あったものとは大きく異なる点があるということです。
つまり、前に日本の神道のところで述べたこととほとんど同じように元々、現在のギリシャの辺りに伝わっていた宗教では、この宇宙を創造し統治している、ただ一つの偉大な神霊のような存在と、その化身のような数十の神霊、もしくは、そうした、ただ一つの偉大な神霊の分霊、もしくは天使のような存在達を祭っていたということです。
それから、これも、まともな宗教としては全く当然のことなのですが、元々は古代ギリシャの人々は、そうした中心となるこの宇宙の偉大な創造神、もしくは最高神のような存在に対しては、信仰的な態度をとっていたが(現代の宗教の信仰とは、かなりニュアンスが異なったようですが)、それ以外の神霊のような存在に対しては、いちいち一つ一つ像を作って拝むような真似は全然していなかったということです。
ですから、これは現在のギリシアの歴史では全然伝わっていないのですが、元々のギリシャの信仰においては、現在のギリシャ神話のように、たくさんの神々をほぼ並列的に祭るような「多神教」ではなくて、ただ一つのこの宇宙の創造主を信仰するような形の、いわゆる「一神教」に近い宗教形態になっていたということです。
※つまり霊的に見た場合、「オリュンポス十二神」(ローマ神話についても、ほぼ同じようなことが言えますが)に当たるような、ゼウスと言っても、ヘルメースと言っても、アテーナーやアプロディーテーと言っても、元々は同じこの宇宙の創造主の別の側面というか、別の霊的な個性を表したものであるというような理解をしているのであれば、それほど大きく問題はないのですが、そうではなく、そうしたいろいろな神々をそれぞれ別々の存在のように考えて、宗教として祭った場合には大きな問題があるということです(元々はゼウスというよりも、ヘルメースの方が、この宇宙の創造主の直接の霊的な系統のように考えられていたようです)。
※ただ、ギリシャ神話に関しては、大勢の神々の間で嘘や騙し合いもあれば、嫉妬や闘争心もあり、その上、殺しもあれば、盗みもあるというような話になっているので、今日の感覚としては、これは本当は神々の神話というよりかは、古代にあった単なるどこかの代々の偉い王族の間のごちゃごちゃした痴話(ちわ)話のような言い伝えが元だったのではないか、というような疑いは拭いきれないような感じはします。
※これは古代ギリシャに限らず、本当は古代のどの地域の神話についても、ほぼ同じように当てはまるのではないかと思われるのですが、本当はタイムテロ以前の古代や超古代の地球では、世界中どの地域でもほぼ同じような形で、この宇宙の創造主に当たる存在を信仰していたと思われるので、元々は現在知られているような多神教的な宗教は、皆無であったのではないかということです。
Cecye(セスィエ)
2012年5月14日 9:01 PM, おすすめ記事 / ギリシャ神話 / スピリチュアリズム、霊界 / 宇宙文明、古代文明 / 宗教、道徳