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源氏物語は、現代の感覚で言うと、せいぜい一部のセレブの間で流行った、稀代のプレイボーイを主人公にした長編少女マンガのような位置づけに過ぎない Part 1

 今回も教育についての話になります。

 

 千年前の源氏物語の位置づけは、現代の感覚で言うと、せいぜい一部のセレブの間で流行った、稀代のプレイボーイを主人公にした長編少女マンガのような位置づけであったと考えられるので、それを何も学校で、すべての子供達に対して、ものすごい権威をつけて、古語で教えるほどの必要性は全くないのではないだろうか?

 それでは、現代の視点ではなく、今から千年前の中世の日本の視点に置き換えて、こうした源氏物語を考え直してみると、一体、どんな風に見えるのか、というと、これは、おおざっぱな総括になるのですが、私は、以下のような大体、五つのことが言えるのではないか、と考えております。

 

1、千年前の源氏物語の位置づけは、現代で言うと、せいぜいハーレクイン・ロマンスや、少女マンガや女性週刊誌のような位置づけとほとんど変わらない

 まず第一には、多分、この源氏物語というお話は、千年ぐらい前の、ちょっと文字の読めるインテリの女性達(当時の大部分の人達は、文字が読めなかったので)が、現代の感覚で言うと、ハーレクイン・ロマンスとか、少女マンガや、女性週刊誌を読むような感覚で読んでいたというのが実態だったのではないか、ということです。

 ですから現在のまま、このまま時間が過ぎていって、もし千年経った世界で、現在の日本の少女マンガの名作が残っていたとしたら、一体、どんな扱いになっているのか、というのが、現在の源氏物語の実際の状況なのではないか、というのが、私の正直な感想になります。

※最近はある程度、評価が固まってきつつあるようですが、別に文学が上で、マンガが下なんてことは全くないので、もう少し後の時代になると、現在の文学とほとんど同じような評価や賞賛を受けるようになるような少年少女マンガやアニメというのも、もうすでにたくさんあるのではないか、と私は考えています。

 それと霊的に見ると、おそらく、そうしたマンガを描いていた多くの人達は、少し前の時代には、いろいろな本を書いたり、絵画を描いていた人達の生まれ変わりのような人達が大勢いると思われるので、実際、そうした人達自身としては、時代と手法が異なるだけで、小説や絵画であっても、またマンガやアニメであっても、感覚的にも技術的にも、あまり大した違いを感じていないのではないか、というのが、私の素直な感想なのです。

 ですから、おそらく、ある程度時間の経った、もう少し後世の時代になると、現在、たくさん出版されているマンガやアニメの一部のものについては、もう完全に現代の文学や絵画への評価や賞賛とほとんど同じような扱いになるものが、たくさん出てくるのではないか、と私は考えています。

 

2、昔の絵巻物は、現代で言うと、絵本やマンガの位置づけとほとんど変わりないので、いくら源氏物語が、千年前の文学だからといって、読む読まないぐらいは、せいぜい個人の好き勝手に任せればよいのではないか

 第二には、実際の源氏物語は、たいてい絵巻物になっているので、これは、どう考えてみても、現代で言うところの絵本やマンガのような面白おかしい読み物であったはずであるということです。

 ですから、もし当時の紫式部に会って、「千年先の日本では、これを全日本通津うらうらの少年少女に中世の言葉で、そのまま教材として教えています」なんて、誰かが言ったとしたら、多分、紫式部は、「まあ、でも、これって、あなた方の時代で言うと、ただの少女マンガよ」とか、「こんな史上最強のプレイボーイの話を少年少女に教えるなんて、千年先の日本って、すごい進んでいるのね、ムフフ・・・」みたいな話になるのではないか、ということなのです。

 ですから、これは、はっきり言って申し訳ないのですが、現代の多くの日本人は、もう毎日のようにいろいろな機会に提供される、こうした恋愛物や刑事物やホラー物のテレビドラマや映画やマンガや小説のようなエンターテイメントには、もう慣れすぎるくらい慣れてしまっているような状況であるので、こうした現代の日本のようなエンターテイメントの状況においては、いくら源氏物語が、千年前の文学だからといって、何もそんなにものすごい権威ばかりを強く押し付けるような必要性なんて全くないから、せいぜい読みたい人には、その人の希望で、現代の日本語の読み物とか、マンガの形で読ませてあげれば、それで十分なのではないか、というように私は率直に感じております。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2011年5月27日 9:25 PM, おすすめ記事 / コラム / 教育 / 歴史 / 社会、文化 / 芸術、美



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