それでは、こうしたことに関して、いったい、どのようなことが言えるのか、というと、だいたい次のようなことが言えます。
1、釈迦が活躍した古代インドの社会の状況と、当時の釈迦の教えについて
まず最初に釈迦が活躍していた、古代インドやインド周辺の社会の状況について、考えてみたいと思うのですが、現在も当時の社会の様子は、様々な形で伝わってきているようなのですが、ここでは、かなり簡単に当時の社会の様子を説明すると、古くからの伝統的なインドの宗教は一応あったのですが、そうした宗教的な教えが非常に古かったことと、それから当時のインドの社会が、かなり目まぐるしいスピードで大きく変化していたこともあって、当時のインドでは、あちこちに宗教的、あるいは、哲学的な指導者が出てきて、多くの人々に様々な教えを説いていたようです。
そこに当時の宗教的な祭祀(さいし)階級でもなかった釈迦が、「悟りを開いた」と称して、新しい仏教の教えを説き始めたわけですが、現在残っている当時の仏教の教えなどを読む限り、当時の釈迦は、「神々を頼って、救いを得よう」などとは、つゆほども思っておらず、どちらかというと、当時の悟りを開いた釈迦や、釈迦の教えを学んで、すでに悟りを開いた弟子達に帰依するような姿勢は必要だったのですが、釈迦の教えに帰依する一人一人の人々が、しっかり努力することで素晴らしい悟りの悦びや、大きな安らぎや魂の救いを得てゆこうとするような、かなり一人一人の修行を重視するタイプの教えを説いていたのではないか、ということなのです。
Cecye(セスィエ)
2021年10月23日 9:08 PM, インド思想、ヒンドゥー教 / 中国思想 / 人生観、世界観 / 仏教 / 宇宙文明、古代文明 / 宗教、道徳 / 歴史 / 瞑想 / 知恵、正しさ / 社会、文化