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アメリカ合衆国の繁栄とキリスト教の関係について Part 10

5、現在のアメリカ合衆国の繁栄は、神の守護や恩寵だけでなく、国の総力をあげて、一人一人の能力の発揮や、科学技術の振興を大きく進めた面が非常に大きいのではないか

 五つめは、これは単純な事実関係の確認になるのですが、現代のアメリカ合衆国のキリスト教の人々の中には、「神が、アメリカを繁栄させた」とか、「信仰があったから、自分達は良くなったのだ」などと考えるような人々が、非常にたくさんいるということは、私もわかるのですが、ただ、特にここ百数十年のアメリカの歴史を調べてみると、確かに神の守護や恩寵はあったかもしれないけれども、アメリカの人々が、現在のような豊かな生活が送れるようになったのは、どちらかというと神の守護や恩寵だけではなく、国の制度として、一人一人の努力がしっかり認められるような能力主義の国の運営にしたことと、それから、その時々の自然や世界のあり方をそのままよしとはせずに、一つ一つ、実際の事実をよく調査し、確認していったり、さらにそこから何か新しいものを創り出してゆくような科学技術の発達に、国の総力をあげて、取り組んできたことが非常に大きかったのではないか、ということです。

 つまり、もっと簡単に言い切ってしまうと、現在のアメリカ合衆国の繁栄は、神の大きな恵みはあったとしても、できるだけ一人一人の人間の才能や能力がしっかり認められるような国のあり方であったことや、また、一つ一つの実際の事実関係をよく調査し、確認していったり、そこから、さらに何か新しいものを創り上げてゆくような科学技術の発達や、人間の創造力の力が非常に大きかったのではないか、と思われるのですが、残念ながら現在のアメリカ合衆国では、科学主義の面に関しては、かなり強く否定して、「聖書的な内容さえ信じていれば、自分達は絶対に良くなるんだ」というような、かなり過激な信仰論者が増えてきてしまったことが、かなり問題なのではないか、ということなのです。

 今から百年近く昔の大日本帝国時代の日本では、やはり同じように科学主義は否定されて、精神論が、かなり大手を振って、盛んにもてはやされていた時代もあったのですが、ところが、その大日本帝国は、やがて太平洋戦争で当時のアメリカ軍に完敗すると、その後、日本では、そうした精神論は、ほぼ全否定されるようになり、当時のアメリカ合衆国を見習って、「民主政治」や「科学主義」に代表されるような様々なアメリカイズムを受け入れるようになっていったので、私は、現在のアメリカの様子を見ていると、かなり不思議な感覚を覚えています。

 それから昔の大日本帝国では、「大本営発表」と言われるような事実無根のインチキニュースが、国家権力の下で大々的に流されていたことが、敗戦後、かなり大きく批判されるようになり、その後は、あまりに事実無根のニュースは流せないような社会になったので、これに関しても、やはり現在のアメリカの様子を見ていると、かなり異様に感じられます。

※インチキニュースであるかどうかぐらい、実際の現場に行ったり、いろいろな人の実際の話を聞いてみれば、ある程度、誰でも判断できることであると思うので、嘘や、その人だけの思い込みを、あたかも本当の事実であるかのように話したり、それを報道している場面を見るのは、かなり異常に感じました。

※昨年11月のアメリカの大統領選挙は、内外から大きな注目を集めていて、しかも選挙の結果が、かなり切実な国内問題になる可能性もあったので、共和党の人々も民主党の人々も一緒に、かなり入念な選挙の公正さのチェックが行われていたはずです。ですので、そもそも最初の時点から、選挙の大掛かりな不正なんて、かなり難しかったのではないか、と思われます。

 

 それゆえ私としては、別にキリスト教的な精神が主流のアメリカ合衆国で、全然構わないとは思っているのですが、ただ、現代のアメリカでは、それがやや行き過ぎてしまっていて、政治や経済や文化だけでなく、国際関係などにおいても、多少行き過ぎた聖書主義の概念が一人歩きし始めているように感じられるので、こうした点については、多少改めるようにしてゆかないと、現在までのようなアメリカの繁栄は続けられなくなってしまうのではないか、というように、かなり危惧しています。

 

Cecye(セスィエ)

2021年2月12日 9:03 PM, キリスト教 / ユダヤ教 / 宗教、道徳 / 政治 / 時間と空間の秘密 / 歴史 / 知恵、正しさ / 社会、文化 / 経済



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