再び、ここから「知ることと人間性の関係について」の話を続けたいと思います。
4、多くの人々が、「知性が高い人は、人間性も優れている」と考えやすい理由について
四つめは、これは非常に難しい問題も関わっているのですが、世の中には、知性的に非常に秀でていて、何らかの分野では、本当に多くの人々の利益や幸福に非常に貢献しているのですが、ところが、その人本人の様子だけを見ると、かなりの奇人変人だったり、あるいは、パッと見た感じは、ほぼ全く目立つこともないような、非常におとなしい普通の人のようにしか見えないことも、時々あるようです。
また時々、一見、非常に知性の高そうな人が、とんでもない異常人格だったり、とんでもない犯罪に手を染めることもあるようなので、こうした観点から見ると、人間の性質として、知性が高いことと、その人自身が、非常に優しく温厚で包容力があるとか、他の人々への指導力が高いこととは、そもそも最初から、あまり関連性がない、というか、元々、あまり直接結びつかないところがあるようなのです。
そうすると、なぜ多くの人々は、何となくではあっても、「知性が高い人は、人間性も優れていると思ってしまいがちなのか」ということの方が問題になってくるのですが、その理由としては、大まかに言うと、次のような二つの理由が考えられます。
Cecye(セスィエ)