3、現在以上にもっと洗練された豊かで幸福な社会を目指すのであれば、人間の個人個人の好き嫌いの感覚に根ざした結婚制度と、それぞれのカップルを中心とした、たくさんの人々の利害関係はある程度分離して、できるだけ、それぞれの人の利益や幸福がしっかり守られるような社会を築くべきである
三つめは、これはあまり考えたことのある人は少ないかもしれないのですが、人間の恋愛感情には少し不思議なところがあって、たとえば、人間が、誰かのことが好きになると言っても、よくよく細かく調べてゆくと、本当に相手のことが好きで、純粋に幸せにしたいという気持ちから、誰かのことを好きになる人もいれば、そうではなく、誰かのことが好きと言っても、具体的な衝動としては、その人を困らせてみたいとか、いじめてみたいとか、一方的に何らかの欲求を晴らしてみたいとか、また中には単に暴力を振るったり、危害を加えてみたいというような気持ちで、相手のことを好きだと考えている人も、時折、世の中にはいるようなのです。
こうした人間の精神的なひずみが、今日も世間では、あちこちでいろいろと困った問題や、時には、とんでもない犯罪や騒動を巻き起こしているようなのですが、ここで言いたいのは、そういうことではなくて、実は、こうした人間の好き嫌いや恋愛に関するようなことは、実際には、かなり簡単な人間学の一種と割り切れるくらいの、学校の教科書で言えば、せいぜい一冊程度の人間関係のノウハウさえあれば、わりと簡単に乗り切って行けるようなところがあるのですが、ところが、これまでの学校教育では、こうした男女の恋愛や人間関係に関するノウハウは、正式な学問のような扱いは全く受けてこなかったようなところがあるので、その結果、今日も世界では、あちこちで、どんなに頭のいい魅力的な人間であったとしても、個人的な体験は、それなりにたくさんあるとしても、はっきり言うと、ほぼ行き当たりばったりの恋愛体験ばかりを繰り返すような状況になってしまっているのではないか、ということなのです。
Cecye(セスィエ)
2017年5月12日 9:03 PM, 人生観、世界観 / 愛について / 政治 / 社会、文化 / 経済 / 結婚、家庭