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民主化や近代化の草創期の問題と、その解決策について Part 1

 今回から現代人にとっては、最もごちゃごちゃしていて、何だかよくわからない印象を持つことが多い、国の民主化や近代化の草創期によく起きがちな問題と、その解決策について述べてみたいと思います。

 

民主化や近代化の過程では、軍隊の整備の簡単さと、国全体の近代化の大変さによる発展の速度のズレから、軍事クーデターが起きがちであるが、実際には、なかなか国民が思ったような成果が出ないことが多い

 たいてい、民主主義の制度を始めて、まだ、まもない頃の国では(王制が残っていることも多いですが・・・)、国のあちこちから、「我こそは、この国を素晴らしいものにするぞ」というような感じで、それ以前の時代からのそれぞれの土地の名士や、あるいは、ちょっとしたリーダー格のような人々が(少し破れかぶれのような感じの人も含めて)、たくさん政治家に立候補してくるのですが、やがて、そのような人々の中から一通り、大統領や首相や大臣や、議会の議員のような人々が選ばれると、はっきり言うと、最初は、ちょっと会社の新入社員のような感じで、「自分は、こういう理想を実現したい」とか、「自分は、地元のこういう不満を、何とか解決したい」などというような形で、大統領や首相を中心とした行政や、議会の運営を始めるようになってゆきます。

 その際に、どこの国でも最初に結構、問題になるのが、その国が、あまりにも地域色の異なる、たくさんの地域の連合国家であったり、また、特にこれと言った共通の国家観のない民族や部族の寄せ集めであったり、あるいは、たくさんの身分や文化や経済力の差のある人々の集まりであった場合には、たいてい、最初の数十年から、場合によっては、百年から二百年ぐらいの間は、どこかの人々の集団がうまく行ったかと思うと、別のどこかの人々の集団から強い不満が出てくるとか、あるいは、何らかの形で一つの国家のまとまりを作ろうとすると、どこかの地域から経済格差の問題や、宗教や伝統文化の正当性を盾に取った反対が出てくるなどというように、結構長い期間に渡って、国家全体が一つにまとまっているのか、バラバラなのか、よくわからない、あるいは、国家が発展しているのか、後退しているのか、よくわからないような、ちょっとした停滞状態になることが多いようなのです。

 

 続く・・・

 

 追伸

 この文章は、昨年の一月頃、書いたものなのですが、「この文章の主旨がわかるようにするには、別の文章の方がわかりやすいのではないか」ということで、現代日本では、あまりはっきりとよくわかっていないように思われる「戦前戦中の「大日本帝国」と戦後の「日本国」の違いについて」や「昔の大日本帝国憲法の問題点について」のことを書いているうちに、だんだん話が、すっかり別の方向に流れていってしまったので、今年の7月頃から再び、文章の続きを書き足して、今月から載せることにしました。

 

Cecye(セスィエ)

2016年9月5日 9:03 PM, おすすめ記事 / 政治 / 歴史 / 社会、文化 / 経済 / 軍事



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