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職業と人生 Part 26

⑪仕事を始めて、ある程度、月日が経った頃になると、別の問題が生じてくることがあるので、注意が必要である

 第十一には、これは若い時点では、あまりわからないことも多いのですが、実は、仕事を始めたばかりの時はともかくとして、何らかの仕事を始めて、ある程度、月日が経った頃になると、以前は自分としては、自分に最も向いているとか、自分に最も合っていると思えた仕事が、いつの間にか、それほど楽しいとも充実しているとも思えなくなるような状況になってくることがあるのですが、その理由としては、これは少し冷静に考えてみないとよくわからないことも多いのですが、大まかに言うと、次のような三つの理由が考えられます。

 一つめは、これは、たいてい誰でもその仕事を始めて、ある程度、月日が経った頃になると、かなりはっきりと理解できるようになることであると思われるのですが、要するに「ああ、この仕事は、こんな感じの作業や人間関係を毎日やってゆけばいいんだ」とか、「この仕事での自分の能力はこんな感じで、この職場での自分の位置づけは、だいたい、こんな感じだな」とか、「この仕事をずっとやってゆくと、こんな感じの人生を送ってゆくんだろうな」とか、「何となくだけど、10年後、20年後の自分は、こんな感じの人間になっているんだろうな・・・」などというようなことを、自分なりにかなりはっきりと理解できるようになる時が来るものなのです。

 この際に、そうした自分の生き方や将来像をそのまま素直によしとして、受け入れられるような人は、その仕事で十分満足してゆけるのですが(つまり、その人にとっての天職のような仕事であると思われます)、そうではなく、そうした自分の生き方や将来像に十分満足できないような人は、どうしても、どこかの段階で、その人なりの何らかの工夫や判断をしなくてはならないような状況になることが多いようです(つまり、あまり天職と呼べるような仕事ではなかったかもしれないということです)。

 二つめは、今度は、今述べたこととは反対の立場になるのですが、要するにある程度、その仕事に習熟して、「こうすれば、こうなる」とか、「こうやったら、絶対にうまく行かない」などというような、その仕事でやることやコツのようなものが、ほぼすべてわかるようになった段階で、その仕事が本当に楽しいし、やりがいがあるとは素直に思えずに、なぜか物足りなさやつまらなさを感じてしまうようなケースになるのですが、この場合の判断は多少難しくて、もし自分の都合で、すぐにその仕事の種類ややり方をある程度、自由に変えられるような場合には、それほど問題ないのでしょうが、そうではなく経済的事情や家族の都合などで、そう簡単にその仕事を変えられないような場合には、様々な点で、いろいろと問題が巻き起こることがあるようです。

 三つめは、これは多くの人々が、毎日のように口にしているような話になるのですが、要するにその仕事自体は、とても気に入っていて、好きかもしれないのだけれど、自分の生活や家族の都合などで、その仕事から得られる収入では、十分満足できないとか、将来に不安を感じる(逆に生活面を改善するというような方法もありますが・・・)というような状況では、やはり、もう少し収入が得られるような仕事に変えるか、あるいは、何らかの副収入が得られるような仕事を探さざるを得なくなるような状況になりがちであるということです。

 ところが、たいていの場合、そんなに急に収入がパッと上がるような仕事の口なんてあるわけないので、多くの人々は、そうした状況になった場合、結構、かなり大きな精神的なストレスを感じるような状況になりがちなのですが、私が思うには、できれば、結局、後々多くの人々が、そうした問題を抱えがちであるという現実をあらかじめ知っておいて、もし自分に将来、結婚や子育ての可能性が少しでもあると思われるような場合には、誰かに相談して、将来そうした状況になったとしても、平均的に見て、それほど困らない程度の収入が得られるような仕事を、あらかじめ選んでおいた方が賢明なのではないか、というように考えております。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2015年4月14日 9:03 PM, 人生観、世界観 / 成功論、繁栄論



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