２、霊的に見ても、人間の人生は、あらかじめ、ある程度、決まっているように思われる部分と、様々な行為や影響によって、大きく変えられる部分の両方がある
第二には、今度は、霊的な観点から、運命について、考えてみたいと思うのですが、これに関しては、だいたい、次のような三つのことが言えます。
①どんな人であっても、生前の霊的世界では、その人が、生まれた後の人生の大まかなビジョンを、かなり明確に知ることができる
まず一つめは、それぞれの人は、その人が、地上の世界に生まれる前に、いったい、どの程度、その人の人生について、細かく計画を立ててくるか、ということについて、考えてみたいと思うのですが、これは、霊的世界の不思議としか全く言いようがないのですが、実は、どんな人であっても、霊的世界にいる際には、その人が、地上の世界に生まれた後の人生の大まかなビジョンを、あらかじめ、かなり明確に知ることができるようなところがあります。
これは分かりづらいので、もう少し具体的に言うと、例えば、これは、みなさんの中で夢や白昼夢や瞑想などの際に、目の前が、パッと開けるような感じがして、その時に、なぜか、ありとあらゆることをすべて知り得た、というような感覚を覚えたことのある人がいたら、そうした感覚と非常によく似ている、ということが言えるようです。
ところが、これは、みなさんの実生活での想像と体験の関係と一緒で、例えば、あらかじめ、かなり大変そうだと予想はしていたけれど、実際にやってみると、そうした想像を越えて、もっと遥かに苦しく大変な体験だった、とか、何となく、こんな楽しい感じかなと思っていたが、実際にやってみると、遥かにものすごく素晴らしい体験だった、などというような具合に、正直言って、そうした霊界でのビジョンと、実際の地上の世界での体験との間には、かなり大きなギャップがあることが、これまでの時代には、非常に多かったようです。
②宗教思想や他の人々の影響によって、人間の人生は、良い意味でも、悪い意味でも、全く思いもよらぬ方向に変化してしまうことがある
二つめは、これは、ちょっとややこしい問題になるのですが、実は、先ほども述べたような物の見方に基づくと、これまでの時代であると、その人が、地上の世界に生まれた時点で、その人の性格や行動が、途中でかなり大きく変化しない限りは、かなりの確率で、その後のその人の人生の営みが、あらかじめ、かなり決まってしまうようなところがあった、ということです。
ところが、ここで、その人本人としては、全く思いもよらぬ原因で、その人自身の人生の方向性や結果を、かなり大きく変えてしまう要因があって、それが、場合によっては、その人自身の性格や行動の方向性をかなり大きく変えてしまう、いわゆる、何らかの宗教や思想教育や人生哲学のようなものの影響や、あるいは、その人自身の性格や行動にかなり大きなインパクトを与える教師や先輩や友人といった人間の影響であったのです。
つまり、霊的に見た場合には、その人が地上の世界に生まれる前から、その人の人生の営みは、かなりの精度で予測できるようなところがあるのですが、それにも関わらず、もし、そうした人生の途上で、その人の性格や行動に、何らかの宗教思想のようなものや人間の存在が、かなり大きな影響を与えた場合には、良い方向にも、また場合によっては、悪い方向にも、その人の人生のあり方や結果は、かなり大きく変化していってしまうようなところがあった、ということなのです。
Ｃｅｃｙｅ（セスィエ）
