⑥他の人の信用や信頼を得るためのコツについて
六つめは、さて、ここからは、多少、テクニック論になるのですが、それでは、できるだけ短期間のうちに他の人の信用や信頼を得るためには、いったいどうすればよいのか、ということについて、考えてみたいのですが、これに関しては、次のような五つのことが言えます。
まず一つめは、これは単純に現在、自分は、いったい何を期待されているのか、また何を求められているのか、ということを、時折、紙に書き出して、しっかり整理しておき、そして、それを毎日、十全に満たせるように全力を尽くしてゆくことです。
二つめは、そうした状況において、「これができると、ちょっと凄いと言われる」とか、「この資格や能力があると、非常に重宝される」とか、「これができれば、何かに抜擢されるかもしれない」というような内容を具体的に明確にして、それをあれこれ言い訳せずに、とにかく優先順位の高いものから順番にマスターしてゆくことです(この時、優先順位を間違えると、あの人は、役に立たないことばっかりできる変な人と言われます(笑))。
三つめは、これは、ちょっと難しい話になるのですが、人間は、いったいどのような時に、その人が信用できる人か、そうでないか判断するのか、というと、これは実際には、結構、大変なことも多いのですが、その人が仕事や人生の途上で、ちょっとした困難な状況に巻き込まれた時であるのです。
つまり、ちょっと、みんなが困ってしまった時であるとか、誰かが大ミスをして、その穴埋めにてんてこ舞いしているような時であるとか、あるいは、何か重大な問題が起きて、なかなか解決のめどが立てられないような、ちょっと大変な時に言い訳ばかりして、ふらふら逃げようとするような人は、あまり信用を得られないけれども、そうした時に、そう簡単にはくじけずに、少しでも良い状態になるように最善を尽くすような努力をしたり、あるいは、周りの人達に、いろいろな心配りができるような人は、だんだん大きな信用を得てゆけるようになるものなのです。
ですから他の人々から信用を得たいと思うのであれば、多少、大変な状況になった時に、あまり無責任な態度をとらずに、自分のできる範囲で構わないので、少しでも良く出来るように最善の努力をするような心構えが、非常に重要になるということです。
それから四つめは、これも時には、ちょっと難しい場合もあるのですが、人間というのは、相手のことが分からなくなると、いろいろな不安や不信感を沸き上がってくるものなので、特に仕事や人間関係上、重要な人へは、こまめに連絡や報告を入れたり、相談するようにしておかないと、後でいろいろ人間関係がごちゃごちゃになることが多いです。
五つめは、これも結構、大変なことも多いのですが、人間関係には、得意不得意があるようなので、ある程度、年齢を経て、いろいろな経験をしていれば分かるようなことでも、特に若い頃だと、ちょっと相手が気に入らないだけで、「この人は、すごく大好きなんだけど、あの人は全然、苦手だ」とか、「この人にならついてゆけるが、あの人には、全然ついてゆけない」などというように、単に知識や経験の不足から、相手のことがよく分かっていないだけなのに、それを相手への好き嫌いの問題や、仕事上の大問題にしてしまいがちなので、こうしたことは、そう簡単に感情的にならずに、いろいろな人に聞いてみたり、自分なりに相手の立場に立って、考え直すような機会を持って、そう簡単に人を責めない、ダメ人間呼ばわりしないように気を配る必要があります。
Cecye(セスィエ)