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昔の日本の神話について Part 6

8、日本の神話の国産みや神産みの話では、セックスの神聖性がほとんど無視されていて、今日的な感覚としては、ほとんど訳の分からない大混乱のうちに、次々とたくさんの存在や、たくさんのもののけのようなものが産まれたことになっているので、これはどちらかと言うと、世界の創造の話というよりは、世界の混乱の経緯を説明した話なのではないか

 それから今度は、再び国産みや神産みの話に戻るのですが、これが日本の神話の場合、もう決定的に最悪と言ってよいような内容になっているのです。

 それというのは、普通、人間の世界でも、動植物の世界でも、子供を授かるには、セックスが絶対必要になってくるのですが、日本の神話であると、このセックスというのが、イザナギ、イザナミのところでは、少し触れられているのですが、それ以外では、ほとんど触れられていなくて、「神が地面を産んだ」とか、「体の一部や血や排泄物から、次々と子供が生まれた」とか、「神が、あらゆる物や、物に関わる妖怪のようなものを産んだ」とか、「神が何かするたびに、ひとりでに子供が産まれた」とか、「神から次々と怪物や悪魔が産まれた」(今日的な感覚で言うと実際、そんな感じなのではないでしょうか?)などという話が、連綿と続いてゆくことになるのです。

 これは、はっきり言って、今日、まじめに神道を研究している方々が考えているような、この世界の創造の経緯について書かれた話なのではなくて、どちらかと言うと、世界中にたくさんのもののけが増えて、ものすごく混乱してゆく様子を、たくさんの訳の分からない神々の名前や姿形や役割を連(つら)ねながら記述しただけなのではないか、ということです。

※霊的に見た場合、神道は、言霊(ことだま)に代表されるような呪術の力によって、一部の支配者階級の人々が、それ以外の大勢の人々を、この世的な権力の力によって支配するのみならず、霊的にも死後、ずっと封印し続けるような形で完全支配を目指した「政治宗教」であった可能性が、非常に高いのですが(それが一般的な神道のイメージの、あの澄みきった、きれいな感じとは、かなり相反する神道独特の暗さや真面目さや硬さや冷たさの理由になっているのではないか、と思われます)、おそらく元々の神道のルーツになった話では、もっと単純に男女の調和ある関係とセックスの神聖性が述べられると共に、そうした男女の調和に満ちたセックスによって、素晴らしい子供達が次々と産まれ、かなりの長い期間に渡って、非常に平和で豊かな繁栄の時代が続いた、というような、もっと単純な話だったのではないか、というように私は推測しております。

※「天津神(あまつかみ)」と「国津神(くにつかみ)」の違いに関しては、霊的に推測する限り、おそらく古代の権力者の人々が、何らかの理由で霊的に封印したかった存在達を、「国津神」と呼んで蔑視しようとしたのではないか、と思われるので、おそらく今日のスピリチュアルな視点で見た場合には、そうした国津神の中には、現在の神道が成立する以前の時代において、かなり大きな霊的な力を持った、正当な神仏のような存在が含まれている可能性が非常に高いということが言えます。

※それから、これも当然のことですが、今日の常識的な感覚から考えて、神や女神のような普通の人間の姿形をした生命の子供なら、当然、普通の性的な営みによって、普通に妊娠、出産して誕生したというように考えれば、それで十分でしょうし、また、そうした神や女神のような人間の姿形をしていない大地や火や水のような、いろいろな自然の事物や動植物のような生命に関しては、普通、そうした神自身の体が分かれるのではなく、それ以外の何らかの創造的な営みによって創られたと考えた方が、今日的な感覚としては、より合理的で納得が行くのではないか、というように私は素朴に感じております。

※道具や家などに関しては、呪術崇拝的に、それぞれの物の中に魂があるなどとは考えずに(そんな世界観って、ちょっと怖すぎませんか?)、もっと単純に人間が作ったものと考えれば、それで十分だと思います)。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2012年3月30日 9:03 PM, スピリチュアリズム、霊界 / 宇宙文明、古代文明 / 宗教、道徳 / 歴史 / 社会、文化 / 神道



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