今回は、「真理とは、何か」というような少し変わったテーマについて、考えてみたいと思います。
これは地球では、まだほとんどスタンダードとは呼べないような、かなり変わった考え方になるのではないかと私は思うのですが、前にも少し述べたように高次元の世界、あるいは、外宇宙の高度に進んだ宇宙文明においては、たいていの地球の人々の感覚のように「真理は、ただ一つである」とか、「常に絶対に正しい客観的な真実がある」というような認識は、彼らの世界では、ほとんどとられていないということなのです。
それでは、一体どのような真理の立場がとられているのか、ということについて、これから三つの点について、簡単に述べてみたいと思います。
１、真理は一つじゃないし、たいてい真理というのは、複数、それも、かなりたくさん、あり得ることすらあるのが現実である
これは、いっけん数学や科学の立場とは、かなり相反する立場になるのですが、そうした数学や科学の実験や証明のように、人為的に、いくらでも非常に細かく客観的な前提や条件を絞り込むことができるような状況であるならいざ知らず、これはたいてい、ほぼすべての私達の身の回りの仕事や生活における絶対原則と言ってもよいくらいの内容になっているのですが、例えば、ある場所で使える考え方や方法は、別のある場所では全く使えないことが多いとか、また、ある人に対して使える考え方や方法は、別のある人には全く通用しないことが多いとか、それから、ある時というか、ある機会に使える考え方や方法は、別のある時というか、機会には全く使えないことが多いとか、さらには、ある条件の下で使える考え方や方法は、そうした条件が異なる場合には全く通用しないことが多いなどという具合に、現実の私達の仕事や生活の実情を見る限り、私達は、それを自分自身の知恵として、はっきり認識しているか、それとも、いろいろな経験を通して無意識のうちに行っているかということはさておき、たいてい、ほぼすべての自分達の決断や行動において、時により、場所により、人により、また条件により、ただ一つの考え方や方法だけで対処するのではなく、「この場合はＡの考え方だが、この場合はＢの考え方をする」とか、「この場合はＣの方法を使うが、この場合にはＤの方法でやる」などという具合に結構、現実にはたくさんのバリエーションに富んだ考え方や方法を、そのたびそのたびに、いろいろ選びながら仕事をしたり、生活をしていることが、ほとんどすべてであるということなのです。
そうすると、こうした多くの人々の実際の仕事や生活の実情を見る限り、確かに「ただ一つの真理がある」というような立場は、考え方や方法としてはシンプルで分かりやすいかもしれないけれど、それは、本当は客観的な前提や条件を、いくらでも自分の都合のいいように細かく絞り込むことのできるような数学や科学の世界の中だけの話で、実際の仕事や生活では、私達は、ほとんどの場合、「このケースの場合は、Ａの考え方や方法だが、このケースの場合は、Ｂの考え方や方法」などという具合に、時により、場所により、人により、また条件により、いろいろ考え方や方法をころころ変えるような立場をとっていることが、ほとんどすべてであるということなのです。
つまり、理屈的には「真理は、ただ一つ」というのは、確かに簡単で気持ちがいいし、何となく、すべてよく分かったような気分になれるので非常によいのですが、私達の実際の仕事や生活の実情を見る限り、そうした「ただ一つだけの真理」なんてきれいごとの言葉は、たいてい、どの人も、ちょっと何か考え事をしたり、行動したりするだけで一発で簡単に吹き飛んでしまい、その結果、これはちょっと言葉が荒っぽいのですが、「このケースの場合は、これが真理、このケースの場合は、これが真理」などという具合に、実際には、時により、場所により、人により、また条件により、同じ「真理」という立場であっても、結構、そのたびそのたびに真理の立場を自分達の都合で、ころころと変えているのが、人間生活の実態なのではないかということなのです。
追伸
つまり、簡単に言うと、「ただ一つだけの真理」というような言葉は、言葉の響きとしては、人間として（私も含めて）非常に心地よく感じることができるのですが、実際の世の中の様子を見てみる限り、どんなにそうした「真理は一つ」ということを力説しているような人であっても、実際には、「この場合には、こういう考え方ややり方が真理、この場合には、こういう考え方ややり方が真理」などという具合に、場所により、時により、人により、また、その時々の条件というか、状況によって、ころころ真理の立場を使い分けているのが、実際の人間生活の実情であるということです。
Ｃｅｃｙｅ（セスィエ）
