2、できれば、子供には、15歳くらいまでに将来、自分がやりたい仕事や、自分の人生の大まかなビジョンを、自分自身の意思でしっかり決めさせるようにした方がよい
第二には、そうした、いろいろな職業に関する知識や体験を子供達に得させた上で、できれば、15歳ぐらいまでに将来、自分がやりたい仕事の職種というものをある程度、しっかり決めさせるようにしておいた方が賢明であるということです。
こうした形で、あらかじめ15歳くらいまでに自分の将来の仕事や、自分の将来の人生のビジョンをある程度、しっかり決めてもらうことになるということを、最初から子供達に言っておかないと、これは誰でも同じだと思うのですが、いくら子供達にそうした、いろいろな職業の知識や体験を与えたとしても、多分、どの子供も、ほとんど他人事のように考えて自分自身の問題として、あまり真剣に考えないでしょうし、また、実際問題として現在の学校制度だと、15歳くらいまでに自分の将来のビジョンをある程度、明確に定められた人というのは、それ以後にそうした内容を決めた人よりも、はるかに有利な学習状況というか、事前準備のための時間が取れるようになるということなのです。
たとえば、大学選びにしても、3年前から入念な準備を整えて、自分の志望校の合格を目指している人と、そうではなく、それが2年前からの人や1年前からの人とでは、はっきり言って、実際の合格率としては、何十倍もの大きな開きになってくるでしょうし、また大学に進学しなくても、それ以外の専門学校に進むケースや、卒業後、そのままどこかの会社に就職するケースであったとしても、そうした15歳以後の数年の期間、つまり長い人間の人生の中でも、時間的にかなり自由に使える時間に恵まれた高校時代の期間(もしくは、中学卒業後の期間)において、そうした将来のための事前準備に、いち早く取りかかれるというのは、私は、その人のその後の20代、30代の時代における成功の速度を早めたり、あるいは、自己実現の可能性が高める上で、本当に非常に重要になってくるのではないか、というように感じているのです。
大事な決断は、結局、いつやっても困難なものであるが、こと職業選択の判断に関しては、できるだけ人生の早い時期に決めた方が、ずっと末永く人生を楽しく過ごすことができる
しかし、「そんなに早く自分の職業を決めるなんて、とても無理なのではないか」と感じるような方も多いのではないか、と私も思うのですが、しかし実際には、それが18歳の高校卒業前の時であれ、22歳の大学卒業前の時であれ、これは現在、大人である私達自身のその時の感覚を思い出してみれば、よく分かるのではないか、と私は思うのですが、そうした決断や判断の時というのは、はっきり言って、誰であっても、いつでも、ものすごく突然で唐突のように感じるものですし、また、いつでも、「一体、どうやって決めればいいの?」と、その時になって、初めて事の重大さや、決断のための知識の重要さに気づくようになるものであるのです。
それゆえ私は、あえて、まだ若いからと言って先延ばしせずに、15歳くらいまでにそうした将来の職業選択を、子供達に自分自身の判断でしっかり行わせるような親心が、非常に重要なのではないか、というように感じています。
子供時代の若い時も、できるだけ楽しく、ハッピーに!、就職した後も、できるだけ楽しく、ハッピーに!
日本だと、こうした際に、「若い時は、自由に伸び伸びと遊べるだけ遊ばせておけばいいじゃないか」というような意見が、よく出てくるのですが、こうした考えというのは、よくよく考えてみると、「若い時は、自由に遊んでいてもいいけれど、就職したら、どんなに大変でも歯を食いしばって、耐え忍んでゆくのが人生なのだ」などというような具合に、若い時は無責任の先延ばし型人生、それから中年以降は、ひたすら責任と不幸に耐え続ける人生などというような具合に結構、他人事の無責任な所があるということなのです。
それゆえ私は、若い時の十数年だけでなく、それ以降、いろいろな仕事や人間に関わってゆく数十年ものの間の、もっともっと長い人生の期間の間、できるだけ毎日、自分が最もやりがいや充実感を感じ、また最も楽しく、ハッピーであると感じられるような人生を送ってゆくためには、できるだけ若い年代のうちに、将来の自分の関わる職業選びや人生のビジョンというものは、自分自身の意思でしっかり決める、ということを前提にしながら、その前後の二十歳前後までの青春時代を楽しむと同時に、そうした青春時代を自分の職業訓練や就職準備の期間として、有意義に使うようにしてゆけば、後から「就職で地獄になった」とか、「仕事が嫌で、毎日、憂鬱になる」などというような将来の危険を避けられると共に、それ以降の長い長い数十年の人生を長期間、非常に楽しく、やりがいのある職業の中で過ごしてゆける可能性が非常に高くなるのではないか、ということなのです。
このように数十年、また人によっては、百年にも及ぶような非常に長い人生の期間における最大幸福を実現してゆくためには、ちょっと厳しいようなのですが、できれば、子供達にあらかじめ、いろいろな職業に関する知識や体験を深めさせながら大体、15歳くらいまでには、「将来、自分は、こういう職業について、こういう人生を送りたい」とか、「将来、自分がつく職業で、長い目で見て成功し続けてゆくためには、十代には、こういう勉強や経験が必要だ」とか、「将来、自分が就職したい会社に入るためには、こういう学歴やキャリアが必要だ」などという具合に、自分の将来の職業選択や人生のビジョンというものを、親や教師などがある程度、サポートしながら、子供達に自分自身の意思でしっかり決めさせる必要があるのではないか、というように私は考えているのです。
追伸
今回は、紙面の都合で書けませんが、職業選択に関しては、仕事の内容や、その人の適性だけでなく、その仕事のやりがいや楽しみや、大まかな収入や将来性、それから、その反対にその仕事の大変な所や、将来のリスクなどについてもある程度、具体的に調べる必要があります。
また、子供は一人一人、いろいろ好みや性格が違うところがあるので、こうした内容の実践に関しては、絶対に無理せず、慌てずに、一人一人の子供の意見を聞いたり、様子を見たりしながら、できるだけ親も子供と一緒に楽しみながら気長に実践してゆくことを、私は勧めます。
それから当然のことですが、これは、あくまで世の中にたくさんある教育に関する参考意見の一つなので、決して無理せず、自己責任の範囲内で実践するようにしてください。
とりあえず、一番簡単で無難なやり方は、子供に「15歳くらいまでに将来、自分のやりたい仕事を決めておいた方がいいんだよ」と、しっかり話をしておいて、それから1週間に1回ぐらいは、有名人でも普通の人でもいいので、何か仕事の内容を紹介しているようなテレビ番組を、子供と一緒に観ていれば、それで十分だと思います。
ただ、子供の反応は露骨で、一緒に面白そうに見ようとするものと、全然見ないものの両方があるので、これはその家のポリシーで、親も子供も一緒に楽しめるような観たいものだけを選んで、気長に見続けてゆけば、それでよいのではないでしょうか。
Cecye(セスィエ)