現代社会の便利で快適なサービスと現実の政治との違いについて
それでここからが、とても大事になってくるのですが、そうすると先ほど述べたように多くの人々の普通の感覚としては、特に若い人ほどそうであることが多いかもしれないのですが、要するに日進月歩で進んでゆく機械や、企業やネット上のサービスのように、「よし、そういう説明なら、この政治家を選んで投票しよう!」「そうか。こういう理由で今の政治はダメなのか。それなら、この人の話を信じて、この人に投票することにしよう」などというような感覚で、政治の世界を見てゆきやすいのではないか、と思われます。
ところが、その一方で私達の普通の人生や会社の経営などと同じように政治の世界にも、様々な複雑な事情や制限があることも多いものなので、「選挙で多くの人々の信任を得て、立派に政治家になれたからには、今すぐ選挙公約の政策を次々と実現したいと思ったのだが、予算の問題や、かなり切実な理由で反対してくる人々の意見や、法律や技術の問題などで、そう簡単には思ったようにできなかった」「絶対にこれまでの政治家は、単に無能か、言い訳しているだけだと思っていたのだが、実際に自分の身でやってみると、確かにかなり難しい複雑な事情があるために、それまでのような状況になってしまっていたことがわかった・・・」などというように現実の政治の世界で、そうした理想を実現しようとすると、結構大変な努力が必要であったり、また、そうした状況にならないには、ならないだけの結構切実な理由があることが、後々になって、かなりはっきりとわかってくることもあるようなのです。
Cecye(セスィエ)