１、どんなに素晴らしい理想世界のように見える国々の価値観ややり方であっても、まだ開発途上の国々の社会や、そこに住む人々には、すぐにそのまま受け入れづらいことがある
それでは、そうした形で、特に現代のように単にそれぞれの人が住んでいる国内や地方の話ばかりでなく、世界中の国々の様々な情報が伝わってくるような時代になると、多くの人々の毎日の生活と、想像や思念の間に、いったい、どのような葛藤、というか、問題が生じてきやすくなるのか、というと、だいたい次のようなことが言えます。
これは現在の世界においても時折起きがちな、わりとネガティブな観点から見た世界の状況になるのですが、例えば、ある人は、それまでその人自身や身の回りの人々の生活の様子しか見聞きしたことがなかったので、「自分達は、そのようにして一生を生きてゆくのが当たり前のことなのだ」と思っていたのですが、ところがその後、ある時を境に自分の国以外の様々な国々の様子をたくさん見聞きするようになると、急にこれまでの自分自身や身の回りの人々の生活が大変みすぼらしく、つまらないもののように感じられてきたので、その結果、その人が最も素晴らしいと感じた外国の国々のような国に、自分の国も変えてゆきたいと考えるようになったり、あるいは、自分もそうした外国の国に行って、そこで生活したいと考えるようになったとします。
ところが、その人がいた国では、その国を治めている王族や政治家達や、あるいは、大多数の人々は、そうしたことにはあまり興味がなくて、できるだけ、これまでと同じような社会の営みを続けたいと考えていた上に、さらに宗教や政治体制が、とても強権的なものだったために、ある時、その人がやっていたことが、とてつもない反社会的な行動のように責められて、とんでもない目に遭わされてしまった、というような出来事は、まだまだ今日の世界では、あちこちの国々で起きることがあるようです（長い年月の間に多くの人々の努力によって、実際に大きく変わってゆくこともあるのですが・・・）。
Ｃｅｃｙｅ（セスィエ）
