今回から何回かに渡って、現在の民主主義社会では、よく採用されている「選挙制度」について、考えてみたいと思います。
現代の選挙制度について
現在の民主主義の国々では、数年ごとに大統領や知事や市長などのような様々な行政府の長や、国会や県議会や市議会などのような議会の議員を決めるための選挙が行われているので、多くの人々にとって、こうした選挙制度というのは、非常に身近な、ある意味で当たり前の制度になっているのではないか、と思われます。
ところが世界を見渡せば、こうした選挙制度のない国々や、また、一応形式的に選挙制度はあっても、実際には、非常に大々的かつ巧妙な投票の操作が行われているために、とてもではないが、普通の公正な選挙による政治家選びなど、全くなされていない国々もあるようです。
※ただし、きっちりした選挙が行われていなくても、わりと良い政治が行われることはありうるし、また、その国の歴史的な過程として、国民の側に十分な政権選択能力がないために、王制や独裁制や、官僚主導の政治体制になっていて、それでかえって、国民の生活が良くなっていることもあるのですが、そうした政治体制にも、いろいろと限界はあるようなので、多少注意は必要なようです(参考1、参考2、参考3)。
それで、ここでは、一般に選挙に関して、問題視されることが多いような内容、つまり「きっちりと正しい公正な形での選挙が行われているか」、「大多数の国民の意思を無視した、国民を弾圧したり、他国民を傷つけるような政治が行われていたりしないか」などというような内容は、いったん置いておいて、21世紀初頭の現在の辺りの時期に、こうした選挙について言えることを、幾つかの観点から述べてみたいと思います。
Cecye(セスィエ)