それでは、政治家と、こうした省庁の行政の仕事については、いったい、どのようなことが言えるのか、というと、だいたい次のような三つのことが言えます。
まず一つめは、これは、あまり深く考えたことのある人は、非常に少ないのではないか、と思われるような内容になるのですが、単純に言い切ってしまうと、そうしたそれぞれの省庁のような、かなり専門性の強いプロフェッショナルの人々の集団を、最も上手に運営することができるのは、そうしたプロフェッショナルの集団の中で何十年も働いて、そうした仕事の内容を隅から隅まで非常によく知り尽くしているだけでなく、そうした組織の中で、かなりの優秀性を示した人間になるのではないか、というように思われます。
ですので、少し昔の日本では、そうした国の省庁や地方の役所などで、ある程度の期間働いた上で、「もっと世の中の役に立つ仕事がしたい」とか、「自分は、官僚や役人の上に立つ政治家になって、もっと大きな仕事がしてみたい」とか、「自分は、この業界や役所を、もっと改善して良くしてゆきたい」などというように強い理想や志を持った人は、そうした官僚や役人をやめて、議員に立候補して、政治の世界に入って、そうした省庁の様々な行政の仕事に関わったり、さらには、その人が特に関心が強かった何らかの改革を行なったり、新しい政治的な仕事の企画を打ち出したりすることが、非常に多かったようです。
ただし、先ほども述べたように一部の特に専門性が高い省庁の役職については、そうした省庁の職員の中から、そうした役職に最もふさわしい優秀な人物を選んで抜擢することもあるようです。
Cecye(セスィエ)