2、単に宇宙や神仏と一体となるような至高体験をするのみならず、様々な不思議な超能力を使いこなす仙人や魔術師のような「悟り」について
二つめは、これはどちらかというと東洋の仙人や、西洋の魔術師のイメージに近い悟りの内容になるのですが、普通の人間では、まずは到底なし得ないような、かなり過酷な心身の修行を通して、単にこの宇宙や、この宇宙を司る神仏と一体になるような至高体験をするのみならず、その結果、どう考えてみても普通の人々には、まずは絶対に不可能であると思われるような様々な不思議な超能力を獲得した聖者のような人物を、昔から世間や、宗教や哲学の世界では、「悟った人」と考えていたようです。
それは例えば、パッと消えて、どこか別の場所に瞬間移動したり、空中に体を浮かせたり、空を飛ぶことができたり、また長時間、水中や土の中に潜ることができたり、それから天候を自由に操ったり、病気を治したり、不思議な薬を生み出したりするような超能力であるのですが、昔から多くの人々は、そうした様々な不思議な超能力を獲得した聖者のような人物を、霊的な悟りを開いた覚者や、あるいは、肉体を持って生きている、まるで神仏そのもののような存在として崇めてきたようです。
それゆえ、こうした場合の「悟り」というのは、先ほど述べたような宇宙や神仏と完全に一体となるような至高体験をするのみならず、普通の人々には、まずは絶対にできないような様々な不思議な超能力を、ある程度自由自在に使いこなせるようになることなのですが、昔から世間や、宗教や哲学の世界では、そうした人物を「徳の高い仙人になった」とか、「偉大な魔術師になった」とか、「霊的なマスターになった」とか、さらには「尊い悟りを得た」とか、「神仏になった」とか、「偉大な聖者になった」などと言ってきたのではないか、ということです。
Cecye(セスィエ)
2021年3月31日 9:04 PM, インド思想、ヒンドゥー教 / キリスト教 / スピリチュアリズム、霊界 / ユダヤ教 / 中国思想 / 仏教 / 宗教、道徳 / 知恵、正しさ / 神道