3、できれば、学生時代のうちに自分から積極的に人と関わって、より良い人間関係を築けるような能力を身につけておいた方がよいかもしれない
三つめは、かなり単純に割りきって説明してしまうと、学生時代は、あらかじめ決められたカリキュラムに従って学んでは、教師のような一段上の立場の人によって、一方的に成績を判定されてゆくような学習生活をしていることが多いと思うのですが、それが社会人になると、かなり大きく変わってきて、そうしたある意味、非常に親切な学習するためのシステムというのはあまりなくて、そのたび、そのたびに一つ一つの仕事の仕方や心構えを、上司や先輩から教えてもらったり、またトライ・エンド・エラーで、自分で実際の仕事や顧客との関係を通して、いろいろと学んでゆくようになることが多いわけです。
ですので、こうした社会人生活に入ると、学校時代とはかなり違って、自分から積極的にテキパキ質問したり、行動してゆけるような人は、その後も、わりと順調に社会人として成功してゆきやすいようなところがあるのですが、ところが、そうではなく、わりとおっとりした受け身の性格の人の場合には、教えられたことに関しては、わりとしっかりやっていることが多いのだけれども、それ以外の点では、いろいろと気がつかないことや、しっかりできていないことが多かったりして、あまり順調に良い仕事をしているとは言えないような状況になりがちなところがあるのです。
これは現在の社会では、わりと単純に、その人の性格や能力の問題と片付けられていることが多いのですが、こうした性格や能力というのは、その人の努力次第で、かなり大きく変えたり、伸ばしてゆけることが多いものなので、私はできれば、一人一人の人が、学生時代を送っているうちから、できるだけ受け身の立場にならずに、自分の意志と責任でもって、いろいろなことを決めてチャレンジしてみたり、また積極的に他の人に話しかけたり、いろいろな行動をしてみるようなトレーニングをを心がけるか、あるいは、学校の側で学生にあまり負担にならないような範囲内で、一人一人の学生にそうした能力を身につけさせるようなトレーニングをしてあげることが、とても大切なのではないか、と考えています。
※人間関係の問題は、学生時代も大きな悩みになることが多いのですが、たいてい社会人になっても、そうした人間関係の問題は、いろいろと大きな問題や悩みになることが多いものです。それゆえ、もう一段上のより理想的な社会を作り上げてゆくためには、今日の社会において、わりとオーソドックな方法論と考えられているような、より良い人間関係の築き方に関しては、学生時代に身につけるべき内容の一つとして考えていってもよいのかもしれません。それというのは、こうした内容は、社会に出た後、他の人から教えてもらったり、本を読んだりして、自分の努力でしっかり身につけた人と、そうでない人とでは、結構、その後の人生で大きな違いが出てくることが多いことの一つなので・・・。
Cecye(セスィエ)