2、国家の統合と、人間の多様性の問題について
二つめは、これは、わりと日本のような国は、うまく運営できているような話になると思うのですが、要するに国家としての統合と、人間の多様性というものを、いったい、どのようにうまくバランスをとりながら扱ってゆけばよいのか、というような問題になります。
日本のような国であると、国家としての統合というのは、わりとわかりやすい話だとは思うのですが、人間の多様性というと、実際、いろいろな肌の色の人もいれば、いろいろな言葉をしゃべる人もいるし、また考え方や生活習慣が全く違う人も大勢いるようなところがあるので、はっきり言って、こうした人間の多様性の問題を、それほど大きな波風を立てずに、うまく解決してゆくのは、とても難しいところがあるようです。
これは、はっきり言って、もう国により、また、その国の社会により、いろいろなあり方があるので、そう簡単に一言では、うまく説明できないようなところがあるのですが、大まかに言うと、次のような二つのことが言えます。
1、その国の社会として、「ここまではOKだが、これは絶対にダメである」というガイドラインを明確にして、しっかり守り続けてゆくことが重要である
一つめは、これは、もうきれいごとはなくて、本当にその国の指導者を中心に、かなり断固とした姿勢で臨んでゆくしかないのですが、とにもかくにも、その国の社会として、「ここまではOKだが、ここからは、絶対に受け入れられない」というような、その国の社会の規範を、その国の上から下まで、誰にでもわかるようにしっかり公表して、説明しておくと共に、そうした規範を受け入れる人には、何らかの特典やメリットを与え、また、そうした規範をしっかり守れない人には、かなりきっちりとした罰やデメリットを与えることが大事になります。
もちろん、こうしたことをあまり厳しくやりすぎると、逆にいろいろと社会全体が停滞したり、混乱したりすることもあるので、その辺りのさじ加減は非常に重要になるのですが、基本的には、その国の指導者の人々が、その国の将来の発展のために大きく方針を変えるとか、あるいは、その国の大多数の人々が、大きな変化を望むような状態にでもならない限りは、その国の社会の規範として、「ここまではOKだが、これ以上はダメである」というガイドラインを、少々大変なことがあっても、しっかり守り抜いてゆくことが、とても大事になります。
Cecye(セスィエ)