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民主化や近代化の草創期の問題と、その解決策について Part 29

②すべてを一変させてしまうような大改革も大事かもしれないが、少しずつでも確実に教育や仕事の機会を作って、経済的な自立を目指したり、外部の世界のことを見聞きする機会を設けるような、より長期的な観点からの社会の改善を積み重ねるべきである

 二つめは、これは多少難しいところもあるのですが、そうした一見、かなりごちゃごちゃしていて、いったい何から手をつけてゆけばよいのか、よくわからないような状況の場合には、とにかく、ほんの少しの人々からだけでもよいから、しっかりした教育の機会を持ってもらうとか、何か働いて、お金を得る手段を持ってもらうとか、外部の世界の様子を見てきてもらうとか、何らかの形で政府の仕事を手伝ってもらうなどというように、とりあえず、ほんの少しずつでもよいから、そこの人々がより賢くなり、より幸福で豊かとなり、また、より自立して、他の人々に貢献できるような状況になれるように手助けしてゆくことが、とても大切になります。

 はっきり言って、何万人、何十万人、あるいは、それ以上もの規模で、とんでもない大変な状況になってしまっている場合には、そうした小さなことは、いくら何をやっても、全く無意味に感じられるかもしれないのですが、ただ、これは社会の変化の鉄則になるのですが、いくら言葉では、素晴らしい理想や綺麗事がたくさん並べられるとしても、実際の社会というのは、多くの人々の生活の集合体のようなところがあるので、突然、すべての生活を一変させてしまうような大改革を行おうとすると、現実には、途中から社会の大混乱が起きて、結局、非常に長い停滞状態に陥ったり、また場合によっては、とんでもない内戦状態に陥ってしまうことすらあるようなのです。

 ですから、こうした社会の問題を解決には、あまりすべてをいっぺんに変えてしまおうとするような考え方はせずに、最低でも数十年程度のビジョンを持って、まずは、そうした人々の中の、ほんの一部の人々からだけでもよいから、少しでも教育の機会を持ってもらうとか、何かを作ったり、売ったりして、お金を稼げるようになってもらうとか、外部の世界のことをより良く知ってもらうとか、何らかの仕事に就いてもらうなどというように、たとえ少しずつであったとしても確実に、そう簡単には後戻りしないような、改革というよりも、長期的な社会の改善を目指して行った方が、より良い成果をあげられるようなところがあるということが言えるでしょう。

※ただし、そうした差別や偏見を、できるだけ少なくしてゆくための法律や制度の整備や、マスメディアのキャンペーンも、とても大切になります。

 

 続く・・・

 

Cecye(セスィエ)

2016年11月4日 9:05 PM, 政治 / 教育 / 歴史 / 社会、文化



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