3、近現代以降のヘルメスの変化と、その霊的な影響について
それではその後、近現代に入ると、ヘルメスは、いったいどのような変貌を遂げていったのかということについて述べてみたいのですが、大まかに言うと、次のような七つのことが言えます。
一つめは、これは前にも少し述べましたが、ルネッサンス期に入って、古代のギリシャ神話が、キリスト教圏で大々的に知られるようになると、やがて多くの人々の認知を得て、大昔のギリシャの神であったヘルメスも、キリスト教の信仰に反しない限りは、現代人の感覚で言うと、ちょっとおしゃれな異国の神のような感じで、ヨーロッパのあちこちで、いろいろな紋章や守護神や絵画などのテーマにだんだん大きく使われるようになってゆきます。
そうすると、これはとても不思議な話なのですが、特に古代ギリシャの神々や女神達のデザインを入れておくと、それまでのキリスト教のイメージではなかなか表現できなかったような非常に大らかで自由な雰囲気や、明るい華やかな繁栄のエネルギーが、わりと簡単に国中や街中に広がってゆくようなところがあったのです。
つまり、ヘルメスを筆頭にして様々なギリシャ神話の神々をトレードマークにすると、それまでのキリスト教では、すっかり封印されていた古代ギリシャやオリエントの大らかさや自由性や人間性や繁栄の精神を再び、ヨーロッパの世界に取り戻すことができるようになったということです。
二つめは、これも少し不思議な話になるのですが、実は、ヘルメス的な知恵の中には、非常に合理性や実用性を尊ぶところがあったので、その後、ヨーロッパを中心に近代科学の勃興が、大々的に起きるようになっていったということです。
Cecye(セスィエ)
2015年2月3日 9:03 PM, ギリシャ神話 / キリスト教 / スピリチュアリズム、霊界 / 宇宙文明、古代文明 / 宗教、道徳