7、ヘルメスは、地上の世界にお金や経済の原理の大元の概念を降ろしていった霊的な存在でもある
それから七つめは、これは現代人としては、少し変わった感想をもたれるかもしれないのですが、現在の人々が、わりと普通の感覚で考えているようなお金や経済の原理の大本のような概念を地上の世界に降ろしていったのが、このヘルメスという霊的な存在であったということです。
それでは、このお金や経済の原理とは、いったいどのようなものであったのかというと、前にも何度も述べたように超古代の遥か大昔の時代には、非常に豊かなユートピアのような世界があったのですが、やがて様々な経緯でそうしたユートピアのような世界が消失した後の世界では、とにかく、あっちでもこっちでも必要な食べ物や衣服や生活必需品がないとか、必要な家や道具や武器や材料がないなどというように、特に人間の社会の間では、常にかなり深刻な物不足が発生するようになりがちだったのです(ここで言う武器は、狩猟や生活のための道具や、昔から地球では争いが多かったので、国や村を守るために使っていたもののことです)。
そこで、これは元々、いにしえのユートピアのような時代には全く考えられもしなかったような話になるのですが、そうした地上の世界の物不足を根本的に解消するための手段として、現代人が経済原理として理解しているような考え方、つまり近くに住む人々同士が、お互いに必要な物を交換し合うような物々交換をさらに発展させて、大きな国家などを一つの単位にして、それぞれの物の価値を客観的に決められるようなお金(通貨)の概念を発明したり(現代人にはわかりづらいと思うのですが、大昔には、お金に価値があるという考え方自体が、まるで一つの変わった宗教のような物の見方をされている時代もありました)、また、そうしたお金を通じて財産を蓄えたり、増やしていったり、あるいは、お金を投資して事業を興して、より多くの人々を豊かにしていったり、さらには、それまでの時代には決して手に入らなかったような遠い国々の品物をお互いに交換し合ったり、売り買いし合ったりしするような、現代で言うと多くの人々が集まって、お互いに様々な形の経済行為を行い合うような商業や事業や金融業のような概念を発明していったのが、ヘルメスという霊的な存在であったのです。
ですから、そうしたヘルメス的なお金や経済の原理というのは、一部の人々から見ると、まるで他人の財布からお金を奪っているようにも見えたので、少し悪い意味をこめて、ヘルメスを「泥棒の神」と言ったり、また良い意味では、様々な経済の原理をもたらした点で「商業の神」や「繁栄の神」のように言われるようになったのではないかと思われます。
霊的に見たヘルメスの実像としては、だいたい以上のような七つのことが言えるのではないかと思われます。
Cecye(セスィエ)
2015年1月20日 9:08 PM, ギリシャ神話 / スピリチュアリズム、霊界 / 宇宙文明、古代文明 / 宗教、道徳 / 成功論、繁栄論