これは、学校の歴史の授業からの単純な思い込みからだと思うのですが、なぜか多くの人々は、「平安時代から鎌倉時代へ」とか、「江戸時代から明治時代へ」というような感じで、時代の変わり目というのは、いつもものすごくきっちりしているものと思い込んでいることが多いようなのですが(日本だと、戦前の日本と戦後の日本の違いのイメージがあるからかもしれませんが・・・)、実際には、そうした時代の変わり目というのは、かなり時代が過ぎてからだとはっきり分かるのですが、その時代の中で生きている人自身には、なかなか分かりづらいことが多いようなのです。
実際、日本では、江戸時代から明治時代に移り変わって、かなり経った後まで江戸時代同様、あちこちで農村の一揆は起きていたようなので、はっきり言うと明治時代になっても、都会や一部の地域の人々の生活はともかくとして、大多数の田舎の人々の生活は、そんなに大きく変わらなかったのではないか、ということなのです。
ですから、大多数の日本人の生活が、現代のようにかなり豊かな状況に激変したのは、実際には戦後以降なのではないかと思われるのですが、これもそうした時代の中にいると、何となく昔からずっと今のような生活をしていたような変な錯覚をしてしまうこともあるし、また映画やテレビのような感じで、なぜか多くの人々は、「○○時代から○○時代へ」と聞くと、相変わらず、何となく映画のシーンが変わるように多くの人々の生活が、パッと突然、様変わりするような妙な錯覚を持ちがちのようです。
だから、そういう意味で大きな時代の変化を知りたい場合には、20〜30年前の多くの人々の生活と、その時点での生活を比べてみて、かなり大きな変化がある場合には、そうした時代は、大きな時代の変革期と呼べるでしょうし、また、そうした20〜30年前の多くの人々の生活と、その時点での生活があまり大きく様変わりしていない場合には、あまり大きな時代の変革期とは呼べない、というように判断すればよいのではないかと思われます。
Cecye(セスィエ)