7、エピローグー遥かなる人類の旅路によせてー
最後に、それでは、今後、こうした人口増加は、いったい、どうなってゆくのか、ということについて、多少、結論的なことを述べたいと思うのですが、ここでは、短い喩え話を述べて、この話を終わりにしたいと思います。
遥か遠い昔、ある小さな島に、ものすごく信仰熱心な青年と少女がいました。
その青年と少女は、ある時、熱烈に恋をして、結婚すると、その時の神の教えの通り、「産めよ、増やせよ」とばかりに、次から次へと子供を産んでは、神の教えを頼りに、熱心に愛情をかけて、子供達を育ててゆきました。
その後、さらに、その子供達から子供達が生まれ、また、さらに、その子供達から子供達が生まれて、数百代も経った頃、彼らの信じる神から、不思議なお告げがありました。
それは、「あなた達が生まれ育った、この小さな島から離れて、海の彼方にある大きな陸地に行って、神への信仰の下に、さらに数多くの子孫を増やしてゆきなさい」、というような神のお告げでした。
やがて、そうした神のお告げの通りに、勇敢にも彼らの一部は、次々と海の彼方に冒険に出かけると、あっちの島から、こっちの島へ、そして、もっと大きな島へと歩みを進めてゆき、やがて、もっともっと大きな島、つまり、行っても行っても隅っこの見つからない大きな陸地を見つけると、そこを彼らの最終的な安楽の地と定めて、その後、何万人もの人口を持つ大きな国を作るようになってゆきました。
ところが、不思議なことに、そのようにして、長くあちこちに住み着いているうちに、ある人々は、だんだん色が黒く、少し小柄の体格となってゆき、また、ある人々は、だんだん色が白く、わりと大柄の体格となってゆき、そして、ある人々は、だんだん色が黄色く、わりと丸い体格の人々となってゆきました。
それから、さらに長い長い年月が過ぎてゆくと、やがて、それぞれの地域に住んでいる人々ごとに言葉が変わり、生活の仕方も変わり、風習や考え方も変わり、そして、さらに不思議なことに、最初は、あれほど熱心に信じていた一つの神の名前や姿形や性格も、全く別のものになっていってしまいました。
そして、さらに長い長い年月が過ぎてゆくと、国や民族同士が、些細な理由で疑心暗鬼となり、お互いに殺し合ったり、傷つけ合ったり、奪い合ったり、騙し合ったりするような、大変、不幸な時代が、長く長く続くようになっていったのです。
それから、さらに長い長い年月が過ぎてゆき、やがて、長い長い輪廻を越えて、再び、最初に結ばれた青年と少女が巡り会うと、彼らは気付きました。
「僕たちは、ずっと昔に、どこか小さな島で神様を信じて、とても平和で幸せな生活を送っていたような気がするけど、ここは、その島とは全然違う、まるで地獄みたいな世界だね」。
「だけど、もし、二人の男女が本当に愛し合うことで、小さな平和と幸せが訪れ、そして、それが世界のあちこちに広がっていったら、ひょっとしたら、この世界は、もっと平和で幸せな世界になるかもしれない。だから、ここで結婚して、平和な幸せな家庭を作り、その精神を身近な人々に伝えてゆこう」。
ところが、そのカップルの愛には不思議な力があって、その愛は、姿も見えなければ、声も聞こえず、まるで、いっけん何の力も持っていないように感じられるかもしれないけれど、いつの間にか、あっちのカップルにも、また、こっちのカップルにも広まってゆき、気がつくと、世界中で、どのカップルにも、また、どの家族や、どの親族にも、それから、どの民族にも、そして、どの国の、どの世界の人々にも、さらには、この広大な宇宙の、どの銀河の、どの惑星の人々にも、そのようにして、忘れ去られていた愛の力を思い出させ、一つの家族、一つの民族、一つの国、一つの神の教え、一つの世界、そして、一つの神への愛を思い出させてゆくような、とても不思議な力があったのです。
そして、この物語の続きは、今日も世界のあちこちで続いてゆきます。
最愛の男性、最愛の女性、最愛の両親や祖父母や親族、最愛の子供達や孫達、最愛の友人や隣人や仲間達、それから、最愛の人々や生き物達、そして、最愛の神へと・・・。
Cecye(セスィエ)
2014年7月11日 9:07 PM, スピリチュアリズム、霊界 / 宗教、道徳